ルージュの指輪 (ページ7)

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「さっき何話してたん。」
「長尾くん年上彼女おるん、ぽいなーって。」
「あーね。」

「あと、駿佑は私にデレデレらしいで。」
「…は、そんなん言ってるん。」
「周りからはそう見えるらしい。」
「まぁ、否定はせんけど。」

もう何年も一緒にいるから、その性格も扱いも人一倍分かってるつもりだけど。だからこそ人一倍、傷つけたくないと思う。

「別れよう」なんて言ったら、どんな顔をするのか。
私が1番よく分かっているから。

「今度、紅葉見に行こうや。」
「まだ紅葉早いやろ。」
「やから、ちょうどいい時期に。」

「随分早い約束やなぁ。」

当たり前に繋いだ手が揺れる。
一体彼はどんな気持ちで私と一緒にいるのだろう。
青春なんて、とっくに終わったはずなのに。

「先約取っとかな、Aは誰かと先行きそうやから。」
「いや、流石に紅葉行く予定はないわ。」
「紅葉に関しては俺がAと見たいだけなんやけど。」

「…それは、ありがたい。」

最近、やたらと返答に困っている自分がいる。
バレないように隠しても、いつかはボロが出て、
いつかは…

なんて、考えるのはもう少し後にしよう。