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「……行っていいのかよ？」
「もちろん」
「…俺の事許してくれるのか？」
恐る恐る尋ねる
「許すも何も
私は櫻井の事は恨んでないし嫌ってもいなかったよ」
顔の横の長めの前髪を耳にかけて
Aは笑って言ってくれた
あ…
あぁ
友達だもんな…
「…ありがとう」
「うん」
「A…」
「うん？」
「…最後に聞いていい？
…滝沢からのプロポーズは？
滝沢はこの会社辞めて名古屋のAのところに行くって…」
俺って未練タラタラだな
まだ離れたくない気持ちと
諦め切れない気持ちでAを帰らせたくない
「うん…
…秀明には申し訳ないんだけど
断った…
…それに秀明は名古屋には来ないよ
東京で転職するよ？」
「はぁっ！？」
なんでだよっ？
俺は騙されたって事？
なんでそんな嘘をわざわざ俺に付くんだよ？
「もう秀明はお節介なんだから…」
「え？」
「…ううん
なんでもない」
ふいに
滝沢が、俺に話をした時の不安そうな顔が脳裏をよぎった
《頼むな…》
ごめん
滝沢。俺結局
Aを傷つけた
「そっか…」
そしてAは新たな人生のスタートをまた切っていくんだな
「応援してるから」
そう伝えると
「ありがとう
私も櫻井の事応援してるよ」
「サンキュー」
「櫻井
大人になったね」
そう言って切なく笑う君に
また心奪われる
「そうか？」
「うん
昔はこんな風に素直に話せなかったじゃない？」
「…だなぁ」
「また会えて良かった」
「そっか…
ありがとう」
やべ
なんか泣きそうになる
.
.
「じゃあ
おやすみ
名古屋に気をつけて帰れよ」
「うん
おやすみなさい
送ってくれてありがとう
櫻井も気をつけてね」
「おう」
空元気で笑って
最後にAを見つめ
踵を返して送って来た道を戻る
.
.
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こうして
俺の長年の初恋は
ようやく終わった
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本当に終わったのか…
時が経てば忘れられるのだろうか…
歩き出すけど
正直不安だ
.
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「櫻井っ！」
後ろから俺を呼ぶAの声
振り返った瞬間
.
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ボスっと
俺の胸の中に愛しい君が飛び込んで来た
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ことら(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます。 (2018年11月3日 11時) (
レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読ませて頂いてました！すごく面白かったです､これからも頑張ってください！ (2018年11月2日 19時) (レス) id: 41dfb4f50b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - お疲れ様でした！ (2018年11月2日 18時) (レス) id: 57fa7283bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2018年10月22日 21時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - まひうお様はじめまして。そう言っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年10月13日 19時
