145.ただ前をみて ページ3
Side:iw
阿部は、
体力の回復と、メンタル面でのリハビリのために、
数日間入院することになった。
その話をマネージャーに聞いた後、
仕事の時間を調整してもらって、
メンバー全員で病室に向かっている。
全員焦る気持ちを抑えながら、
阿部の様子や、
どう接したら良いのかなどをしきり目黒に確認している。
みんな緊張した面持ちだった。
俺ももちろん緊張している。
俺が最後に動いている阿部を見たのは、
あの日リハ室で取り乱した姿で、
それ以降は目を閉じた姿しか見ていない。
目黒が慣れた手付きでドアを開けようとするのを、
翔太が一回止めた。
nb「待って、心の準備が…
俺に原因があるわけだし」
mm「大丈夫ですよ。
阿部ちゃんは、阿部ちゃんなんで」
そう言って誰の許可も得ないまま、
ガラガラとドアを開けた。
阿部は、
見慣れたTシャツとパーカー姿で、
俺たちを見ると身体を起こして、
嬉しそうに手を上げた。
目黒が言ったことは、あながち間違いではない気がした。
俺たちが最後に見た彼の姿はもうなくて、
ずっと一緒に頑張ってきた、
いつもの優しくて明るい阿部の姿がある。
近寄りがたくなっていたあの雰囲気も払拭されている。
佐久間が飛びつくように阿部に抱きつくと、
それを優しい笑顔で受け止めた。
俺たちも、阿部のその笑顔を見て安心した。
ラウールと康二を筆頭に重なるように阿部を抱きしめる。
俺も一番最後に覆いかぶさるようにメンバーを抱き締めた。
目黒は「今日は譲りますよ」みたいな顔をして
その様子をうしろからにやにやしながら見ている。
円の中心で、阿部の手がバタバタしているのが見えた。
mm「阿部ちゃん困ってますけど…」
fk「うるせぇ！心配かけたバツだ！
俺らの愛を受け止めろ！バカヤロウ！」
しばらくその家族のような時間は続いた。
やっと落ち着いた頃には、
真ん中に居た阿部の髪はぐちゃぐちゃで、
少しだけ不機嫌そうだった。
その姿すら、
普段の阿部が戻ってきたみたいで笑えてきてしまう。
俺たちは、こんな当たり前の姿の彼を取り戻すのに、
こんなにも時間をかけてしまった。
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雪兎（阿部担）(プロフ) - 数年ぶりによんだんですけど、本当にこの話大好きで、何回読んでも泣いてしまう最高の作品です。ありがとうございました！！ (9月4日 21時) (
レス) @page38 id: 265bbda4f1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾅﾂｷ - 他の方が書かれてるように読んでいくうちに物語に引き込まれて、止まらなくなりました。こんなに泣きながら小説を読んだのは初めてです。所々切なくて胸に刺さる部分もありましたが、最後mmabが結ばれて良かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (2022年4月29日 23時) (レス) @page38 id: 2d51285911 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - 読み始めたら止まらなくて一気に読みました。途中ハッピーエンドになると書いてあったけど、切なすぎて胸が痛くなるのは止められず目が腫れるほど泣きました。skabが好きなのでskが切なかったけど、ノンフィクションじゃないかと思える感動な作品で、読めて幸せです。 (2021年3月25日 12時) (レス) id: dee66be56c (このIDを非表示/違反報告)
あか - 涙が止まりませんでした(T_T) (2021年3月19日 21時) (レス) id: aad3573941 (このIDを非表示/違反報告)
yum(プロフ) - 今更ながら、読ませていただきました。もうなんだか感動しすぎて…笑一気に読んでしまいました笑これからも他の作品読ませていただきます！ (2020年7月15日 2時) (レス) id: a05dc0eb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haryu
| 作成日時：2020年6月15日 17時
