最悪の相性【REBORN!】

1-2 最悪と最悪 ページ2

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　だが、私の事などお構いなしに最悪は訪れた。黄塵万丈となっていたビルの入り口屋根に、髪の長い男の姿が現れる。その姿は、以前父から教えられた組織の一人と同じ……。私が一つ息を飲み込むと同時に、男は「う゛おぉい」と大きく怒鳴った。視線の先は彼らだった。

　落ちてきた少年は頭に炎を宿し沢田綱吉に話しかける。長髪の男と、落ちてきた少年、沢田綱吉……。沢田綱吉が、余程の重要人物であることがこの状況から伺える。そんなことを考えている暇もなく、長髪の男は左手に着けた長い剣で少年を攻撃すると、少年は防御及ばず血飛沫を上げビルへと吹っ飛んでいく。一瞬の出来事に戸惑っていると、男は今度は沢田綱吉の方へ歩み寄るのだが、上空からのダイナマイトで射程範囲内に詰め寄ることを間一髪で阻止される。男はビルを頼りに体制を立て直し地面に着地すると、背後にいた二人、片手にダイナマイトを握る不良の獄寺隼人と、日本刀を持った野球部のエース山本武の方を向く。「持ってきてねーのに、なぜかオレのバットが立てかけてあったんだよな」と山本武はにこやかに笑っていた。あの日本刀はどう見てもバットに見えないのだが、とそんなことを考えていると、男はまた「う゛おぉい」と怒鳴った。「よく分かんねーが、一つだけ確かなことを教えてやんぜ。……オレに盾突くと、死ぬぞぉ」山本武とは対照的な極悪な笑みを浮かべながら男は彼らに忠告をした。男の言葉を聞いた彼らは、殺気を放ち前に出る。すると少年があまり動けないながらも止めようと叫ぶが、彼らの一人、山本武は聞き入れずに男に突っ込んでいく。山本武の動きは、一般人と比べて悪くないが、男と比べれば力の差は天と地。私のその推測は見事的中し、ほんの数秒で山本武は投げ飛ばされてしまった。獄寺隼人は山本武の仇を討つ為か、ダイナマイトを持って男に向かっていくが、男に導火線を切られてしまい、そのまま踵落しを直に受けあっさりと敗北。

　男は、力の差が歴然としている相手に興味が無いのか、獄寺隼人を殺そうとしたが、先ほどの少年に防がれてしまう。被害を増やさないためなのか、少年は男から受ける攻撃を防ぎ続けたが、体力の消耗が激しかったらしく男から致命傷を受けてしまった。男が止めを刺そうとしたその瞬間、学校ではお馴染みとなった、パンツ一丁の沢田綱吉が男の攻撃を止めた。

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