最悪の相性【REBORN!】

1-1 最悪と最悪 ページ1

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　並盛商店街から少し離れた所に、その事務所はある。私、毛利礼子の父、毛利和元(ｶｽﾞﾓﾄ)の仕事先。父はその事務所で頭領をやっている。そのままの、毛利組というヤクザの頭領。大御所の山本組の様に総長というわけではなく、中間の若中(わかなか)という立場だけれど。

　私は父に次期組長として、現在育てられている。学校にももちろん通うのだけれど、終わった後、たまに組員の人と話したり、会議の中に入れてもらったり、飲み屋に入ったりもする。今の私にとって、組員と交流することが、絆を作ることが一番必要だと考えたからだと父は言っていた。父の教えに従って、私は今日もヤクザの娘として、でもクラスのみんなにはバレないように生活をしている。

　そうして、私はバレないためにある人物を気にかけている。沢田綱吉……彼は私、いや組にとって危険人物である可能性が高い。彼の周りには、拳銃を持った赤ん坊――ただし、クラスや他の人間には気づかれていない様子。伝説のアルコバレーノだと思われる――や、ダイナマイトをまき散らす不良――常日頃から十代目と叫んでいる――や、町一番の権力を誇る雲雀恭弥などが主に目立つ。そして父から噂に聞く毒サソリは不良の姉らしい。その中心にいる沢田綱吉は不良曰く十代目……あのヒョロヒョロが十代目だというのは良く分からないが、周りの環境的に裏の関係だろうと推測できる。裏の中でも、上位に入ってくるくらい大きいものの可能性がある。日本ではそんなことは聞いたことがない……海外の、所謂マフィアなのだろう。特定ができないから、私は彼を警戒しなくてはいけない。

　彼らが謎の理由で入院してから約一ヶ月の今日、私が商店街に向かう先に彼ら集団が歩いていた。女2人に……男3人、アルコバレーノ1人に、ガキ3人。チャンスだと思った私は、彼らの後を、こっそり追うことにした。

　つけたものはいいのだが、一向に何もしない。マフィアらしいことの一つもしない。まぁ、そんなもんだろう。町中で暴れられたら私まで巻き込まれてしまう。やっとのことで築いた組員との絆が脅かされるなんてまっぴらだ。そう思っていた矢先、空から青い影が吹き飛ばされるように落ちてきた。人間であれば明らかに即死であるその衝撃の直後、沢田綱吉の方へ青い影は吹き飛ばされる。沢田綱吉に直撃して漸くその正体を知ることができ、その姿はまさしく人間だった。何て強靭な肉体なのかと、私は呆気にとられてしまう。

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