標的130 ページ37
「んじゃ、交渉成立ってことでいいな」
「好きに受け取ってくれて構わないよ」
「ちょ…ッストップストップ！！」
そうだ、黙って聞いてる場合じゃない。
現在進行形で、何かとんでもない事になってる気がする。
「流れがまっったく読めないんですが！！」
「ん？あぁ、そういや言ってなかったな」
悪びれる素振りも見せず、てへ、と舌を出したリボーン。こういう時だけかわいこぶるな。
「強襲作戦に向け、それぞれに家庭教師をつけて特訓中なんだ。当然お前も参加だぞ。たった今、担当が決まったからな」
「……待って、それって」
そこまで聞いて、ふと嫌な予感に血の気が引いていく。
完全に繋がった点と点。
顔面蒼白のまま凍り付いた私をよそに、雲雀はくあ、とひとつあくびをした。
「ひ……雲雀さ、」
「──さっきの」
突然口を開いた雲雀。
私の言葉をさえぎったまま、真っ直ぐにこちらへ歩み寄ってくる。
「咄嗟の判断にしては悪くなかったよ。けど」
そうして私の目の前で立ち止まると、雲雀はおもむろに片腕をもたげた。
反射的に目を瞑った直後。
「いてっ」
ぺち、という乾いた音。
額にはしったシンプルな痛み。
──ぐらり、視界が傾く。
「えっ……あ、れ」
気づけば、私はその場に
じわじわ熱を持ち出す額に手を当て、ぽかんとまばたきを繰り返す。
…………デコピンされた？？
というかなんで私、転んで……
「──“オーバーヒート”」
へたり込んだまま目を白黒させる私に、そんな淡々とした声が降ってくる。
「雲の炎で分身なんて、あんな戦い方をしたら動けなくなるのは当然だ」
「実戦なら今頃死んでたかもな」
どうやら指で弾かれた程度の衝撃で転ぶほど、体力を消耗していたらしい。
必死すぎて気がつかなかったが、いつの間にか手足はどちらも痙攣を起こしている。
……大袈裟なんかじゃない。これが戦場だったら、私。
「……す、すみません」
何に対してか、咄嗟に謝罪をもらす。
しかし、返ってきたのは予想外の言葉だった。
「どうして謝るんだい」
「え、」
「二度とそんな真似はできないよう、この手で叩き込んであげるから。覚悟しておきなよ」
遥か高みから、こちらを見下ろす雲雀。
そのあまりに穏やかな声色に、目の前が真っ暗になる。
……ああ。
「(私、生きて帰れるのかな…………──)」
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オウリ(プロフ) - こまりさん» ありがとうございます~！近いうちに続編公開するのでお待ちください！ (6月14日 12時) (
レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
こまり - 凄く面白いです！続きが気になります…🤔 (6月14日 5時) (レス) id: fd7a7e37b1 (このIDを非表示/違反報告)
七粍(プロフ) - きーち1さん» お返事遅くなりました…！コメントありがとうございます^^*おかわりどうぞ！！！(笑) (2022年3月27日 21時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
きーち1(プロフ) - 展開、設定めちゃくちゃ好きです！！ご馳走様です！！続き早く読みたいです！！おかわりください！！！！！ (2022年2月28日 6時) (レス) id: a03c85b354 (このIDを非表示/違反報告)
微々(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます〜！！^^*私もサクサク更新できるように頑張ります…！ (2021年11月18日 11時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オウリ | 作成日時：2020年11月29日 23時
