124.『何故、灯(ひ)はつかぬ？』 ページ34
眼を覚ますと、装飾された天井が見えた。上半身を起こして、ぱっと離された感覚に、ぶんぶんと頭を振る。
――生きて、僕を
切羽詰まった声が過り、眼を伏せる。僕は、何があっても、死ぬことをやめない。
疲れたとか、そう言った生易しいものではない。
死を恐れていないとか、そう言った次元ではない。
｢死して自分を確かめる……宿命なんだよ、これは」
私しかいない部屋で、眼を開いて、呟く。
決して逃れられない、自分の、自分達の業。死を望むことでしか生きていけないのだ。それを自分は哀れんでいないし、楽しんでこそいる。
扉が叩かれた。
｢青葉様。起きられましたか」
扉の向こう側から、ゼセルの声が聞こえる。返事をすると、僕はもう一度寝ていいかを尋ねた。すると、勢い良く扉を開けられ、直ぐに布団から叩きだされた。
｢朝から強烈だな……わざわざ聞いてあげてるだけ、優しいだろ？」
渋々彼らの隊服に袖を通しながら、ベッドメイクをしているゼセルに声を掛ける。
｢私に優しくしているのならば、起きてください」
冷たく突き放されたが、何時もよりマシか。彼の中には、十年後の僕がいるのだ。当然といえば、当然か。慕っていたのは、十年後の僕なのだから。
｢朝食後、直ぐに昨日の特訓から始めます」
ゼセルは僕の背を押しながら、部屋から出す。そのまま廊下も押されていく。
｢ええ、僕は別にいいんだけど」
｢XANXUS様からの命令ですので」
そしてそのまま、VARIAの個性的な面々が集うダイニングへと移動だ。
｢社長出勤とはなめてんのか」
鮫男が吠える。舐めてないよんと返して、席へとつく。
｢鮫男、朝から元気だね。少しくらい静かにしていても損は無いんじゃない？」
するとまた吠えた。言うねえとベルが楽しそうに笑う。そんなに楽しいか、自分の仲間だろ。あ、ここの仲間意識薄いんだったな。
そのまま出された朝食を腹に入れながら、今日の死に方を考える。
｢青葉さん、死ぬ気の炎灯せましたー？」
カエルが首を傾げながら、僕に尋ねてきた。以外とデリカシーの無い男のようだ。
｢灯せてたら、今頃、ゼセルを退けて寝てるかな」
なるほどと、納得され、ゼセルにはどういうことだと睨まれた。難しいんだよな、と言えばベルは小首を傾げた。
｢でも、お前、直ぐにつけたって聞いたけど……何に困ってんの？」
思わぬ爆弾発言。
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黒井蜜柑(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！更新停止が多くなるかもしれませんが、なるべく早く次の話を載せようと思います！ (2018年8月14日 21時) (
レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - めちゃくちゃ面白かったです( *・ω・)ノ更新楽しみにしてます!!! (2018年8月14日 18時) (レス) id: 742e9e233f (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - わっつあっぷふーさん» 失踪……！！？大丈夫です、失踪したら友人に殺されます(*' ')*, ,)...ｩﾝなるべく皆様に心配かけないように頑張ります！ (2017年12月8日 5時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
わっつあっぷふー(プロフ) - 失踪じゃなくてよかったです(*´ー｀*)更新ゆっくりでいいですから失踪だけは… (2017年12月8日 0時) (レス) id: 4ec61bd823 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - みこさん» なんと！！ありがとうございます！更新停止気味で申し訳ないです…！！ (2017年10月20日 23時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒井蜜柑 | 作者ホームページ：http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時：2017年7月10日 20時
