118.『大空とその従者なる者』 ページ28
飛んできたミサイルを躱すことなく受けた。痛みはなく、死ねるものではなかったのだと僕は落胆した。
意識が飛んだのか知らないが、森に囲まれた空間にいた。アイツがよく放り込んでくる感覚と一緒だが、彼じゃない。取り敢えず、何処だ、此処は。
「お待ちしてました、青葉さん」
背後から声を掛けられ、振り返るとそこには僕と同い年位の女子が立っていた。頬には五弁花のマークが入っており、やけに大きい白い帽子を被っている。直感的に、いや、本能だと言ってもいいかもしれない。
僕は膝をついて項垂れた。多分、彼女がそうだ。尤も一度も会った事ないから知らなかったし、会う気も無かったけど。
「お初にお目にかかります、我が主」
僕はそう告げると、彼女は元の通りでいいと言った。それならばとそそくさと立つと彼女の表情が一番に目に入った。とても綺麗な笑顔だった。
「私はユニ。貴方に話したいことがあります」
それから彼女は僕に匣のこと、リングのこと、そして現在の状況を話してくれた。取り敢えず、未来が世紀末だった、以上。
「ユニは何で教えに来てくれたんだ？」
凄くそこだけは気になる。ユニは僕の質問に少しだけきょとんとした顔を見せた後、直ぐに深刻な表情を浮かべた。
「あなたは狙われているんです。白蘭はあなたを最後の手札として欲しいのでしょう」
未来を壊した男。殺してくれるのならと笑えば、ユニはそれを冗談だと取ったのか笑顔を見せた。
「駄目です。あ、もう時間ですね」
「え、早くない？」
僕は瞬きを繰り返す。ここに来てどのくらい経ったのかはよく知らないが、骸と話すよりかはかなり短い。
「私は六道骸のように精神世界を行き来できるわけではないです。運が良かったのだと思います」
そういうものなのか。ユニの説明を聞きながら、僕は理解する。骸がどうやら特異体質だということはよく分かっていたが、これほどまでとは。
「まあいいか。いきなり投げ出されるよりかはいい。じゃあ、行ってくるよ」
「はい。お願いします、青葉さん」
最後に見た笑顔は僕に彼女を覚えさせるのにはもってこいなものだった。
「此処、何処だ」
眼を開けた先には、何処かの豪邸の一室。そして、目の絵には鮫男にナイフ王子。さっきのユニが言っていたことを思い出した。そう言えば、十年後だとか言っていたな。だからこいつら少し老けたのか。そうかそうかと納得しようとして僕は固まった。
待って、十年後の僕って何、VARIAにいるの？
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黒井蜜柑(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！更新停止が多くなるかもしれませんが、なるべく早く次の話を載せようと思います！ (2018年8月14日 21時) (
レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - めちゃくちゃ面白かったです( *・ω・)ノ更新楽しみにしてます!!! (2018年8月14日 18時) (レス) id: 742e9e233f (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - わっつあっぷふーさん» 失踪……！！？大丈夫です、失踪したら友人に殺されます(*' ')*, ,)...ｩﾝなるべく皆様に心配かけないように頑張ります！ (2017年12月8日 5時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
わっつあっぷふー(プロフ) - 失踪じゃなくてよかったです(*´ー｀*)更新ゆっくりでいいですから失踪だけは… (2017年12月8日 0時) (レス) id: 4ec61bd823 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - みこさん» なんと！！ありがとうございます！更新停止気味で申し訳ないです…！！ (2017年10月20日 23時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒井蜜柑 | 作者ホームページ：http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時：2017年7月10日 20時
