117.『そして彼女は微笑う』 ページ27
合同スペースに行くと、鮫男は叫んでいた。というよりも、どうやら日本に通信をしていたらしい。今じゃもう慣れてしまっているこの雄叫びに僕は無視してそこを横切る。
すると、向こうからはよく聞いた声が僕の鼓膜に届いた。
「え、その後ろの人誰ですか」
思わずその方向へと顔を振り向いた。そこには、十年前の沢田綱吉、獄寺隼人、山本武、今となっては懐かしい故人の一人、リボーンにボンゴレの発明家ジャンニーニもいる。
「ツナ？」
僕はずかずかとベルの隣へと行く。ごちゃごちゃ五月蠅い鮫男を無視して向こう側を見る。三人とも傷だらけの全身。多分修行中だろうか。多分、十年前というと、だいたいVARIAと戦ったばかりか。あー、なら僕がここにいるとか笑うよね。
「やぁ、ツナ。それとも、沢田と言ったほうがいいかな、元気そうでよかったよ」
僕はニコニコと笑いながら、手を振った。本当に懐かしい。二人は亡くなり、もう二人は五年ほど会っていなかった。僕の言葉に三人は驚きで眼を見開いている。
「もしかして、青葉さん？」
それは超直感のおかげか僕に教えてくださいな。その問に肯定しながら、もう一度笑う。
「ちゃんと元に戻れるといいね」
なんとなくこの先に何かがあると僕は感じるのだけれど、敢えて言わないでおこう。今は、彼らの未来を案じておきたい。
そうして切られた通信に、ぎゃいぎゃいと騒ぐ鮫男が騒ぐ中、意識が遠くなるような感覚を覚えた。
「おい、青葉！？」
ベルと鮫男が驚くような声が微かに聞こえた。けれど、あまり聞き取れることはなく、不思議な感覚の最中、巻き起こった爆発と共に僕の意識はゆっくりとゆっくりと遠のいていった。
ああ、僕、匣とリング、机の上に置きっぱなしかも。
「……おい、ここ何処だよ」
青葉がスクアーロから逃げていた場所で、煙が晴れた場所に彼女は座っていた。黒髪を結わえ、剥き出しになっていた片方の瞳に眼帯をして、並盛中の制服に身を包んでいる幼き少女。
「おいおいおい、今、入れ変わんのかよ！？」
屋敷にベルとスクアーロの驚きに満ちた声が響きわたる。その声を聞きながら、十年前と十年後が入れ替わった青葉Aは、人差し指に、十年後の彼女が嵌めていたリングを嵌めて、眼を瞬かせていた。
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黒井蜜柑(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！更新停止が多くなるかもしれませんが、なるべく早く次の話を載せようと思います！ (2018年8月14日 21時) (
レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - めちゃくちゃ面白かったです( *・ω・)ノ更新楽しみにしてます!!! (2018年8月14日 18時) (レス) id: 742e9e233f (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - わっつあっぷふーさん» 失踪……！！？大丈夫です、失踪したら友人に殺されます(*' ')*, ,)...ｩﾝなるべく皆様に心配かけないように頑張ります！ (2017年12月8日 5時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
わっつあっぷふー(プロフ) - 失踪じゃなくてよかったです(*´ー｀*)更新ゆっくりでいいですから失踪だけは… (2017年12月8日 0時) (レス) id: 4ec61bd823 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - みこさん» なんと！！ありがとうございます！更新停止気味で申し訳ないです…！！ (2017年10月20日 23時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒井蜜柑 | 作者ホームページ：http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時：2017年7月10日 20時
