116.『知らされた事実に静かな鮫』 ページ26
「十年後と十年前が入れ替わってる？何だそれ、前に流行った映画か何か？」
僕はオカマから珈琲を受け取り啜る。彼は偶に料理番をするだけあって、淹れる珈琲は美味しい。
「それがAさん、本当の事みたいです。沢田綱吉をはじめとする十代目守護者とその知人が変わってるみたいですねー。もしかしたら、Aさんもチェンジするかもしれませんね。
それと、それを知って笹川先輩は襲撃の為に飛んでいったみたいですけどね」
カエルくんは気だるそうに資料を眺めている。というか、そのカエルの被り物邪魔。真逆の事実に僕は眉を顰めた。入れ替わるとは面白い事件だ。
「チェンジしても戦闘力はそこそこしか変化しないからまあなんとかなるんじゃないかな。というか、十年前と早く変われ。僕は何もしたくない」
珈琲片手に書類を一瞥して、放り投げた。
「ししっ、でもせめて匣は置いてけよ。じゃねーと、十年前のお前じゃいても役に立たねえじゃん、あれお前の特注品だろ？」
ベルはクッキーを取りながら、その言葉を投げてくる。確かにそうだけれども。
「忘れてなければな」
僕はそう言うと、懐にしまってある二つの匣を思い浮かべて小さく微笑った。
「おい、お前ら、集まってんな。暗殺の作戦会議やんぞ」
そう言って自慢の銀髪を後ろで纏めて鮫男が入ってきた。叫ばない彼はかなり珍しいが、ずっと居候の形でいる中で、珍しい事ではないことを知った。
鮫男は作戦隊長だ。だが、適確な指示とそして、その腕が信頼する価値をVARIAに与えている。あと、XANXUSの八つ当たりをこいつに任せている。
「鮫男、僕パス。さっき、重大事実知ったから」
僕は手を上げてそう言うと、鮫男はこちらを一瞬見て気だるそうに頷いた。
「知ってる。元よりお前は入れてねぇ。」
いつもなら少しキレるはずの言葉だった。全員がその反応に眼を幾度も瞬きを繰り返した。
あ、こいつ、寝不足じゃん。全員の心中が一つになった瞬間だった。
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「骸様、A……」
クロームは膝を抱えながら、小さく呟いた。薄暗い自分の居住区に、一人。彼女は沢田達と同様に、十年後の世界に連れてこられた。クロームの脳裏には、一緒に暮らしている二人の友人が思い浮かぶ。
その刹那、孤城に足音が響いた。その音にクロームは警戒を高めた。
「クローム髑髏の試食会場だ」
おかっぱ頭に眼鏡をかけ、白い服に身を包んだ男はそう言って彼女の前に現れた。
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黒井蜜柑(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！更新停止が多くなるかもしれませんが、なるべく早く次の話を載せようと思います！ (2018年8月14日 21時) (
レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - めちゃくちゃ面白かったです( *・ω・)ノ更新楽しみにしてます!!! (2018年8月14日 18時) (レス) id: 742e9e233f (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - わっつあっぷふーさん» 失踪……！！？大丈夫です、失踪したら友人に殺されます(*' ')*, ,)...ｩﾝなるべく皆様に心配かけないように頑張ります！ (2017年12月8日 5時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
わっつあっぷふー(プロフ) - 失踪じゃなくてよかったです(*´ー｀*)更新ゆっくりでいいですから失踪だけは… (2017年12月8日 0時) (レス) id: 4ec61bd823 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - みこさん» なんと！！ありがとうございます！更新停止気味で申し訳ないです…！！ (2017年10月20日 23時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒井蜜柑 | 作者ホームページ：http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時：2017年7月10日 20時
