93.『世界よ残酷だと叫ぶ』 ページ3
沢田がモスカを壊した時、僕の恐れていた中身の人間が地へと伏した。XANXUSの組み立てた計画が成就した事を現していた。
知っていたのに、僕は何もしなかった。いつもの事のはずなのに、胸が苦しくなった。沢田は、動揺からか額の炎が消えた。
「……ゴーラ・モスカ。そいつはお前たちの様な死ぬ気の炎を動源力に動く殺戮マシーンだ。それを九代目を入れて動かしていたんだ。ここまで使って、傷も受けている。だいぶ衰弱しているだろうな」
僕が淡々と説明すれば彼は憔悴しきった様子でどうしてと呟いた。精神的ダメージが酷いな。正直言って彼は悪くはないのだが。僕が予想していた通り、彼らはそんな沢田に追い打ちをかけた。
明らかに可笑しい言葉を並べ立てて、罪をなすりつけた。沢田はその言葉の槍に耐え切れそうにない。その様子に、僕は眼を逸らした。XANXUSの計画は主にこうだろう、九代目をモスカに仕立て上げ、勝てなければ、雲戦でモスカを使い殲滅させる。
もし、モスカが負けた場合暴走させ沢田に壊させる。すれば、九代目を傷つけたとして大義名分が出来反対派を押さえ込むことができる。
いつの時代の大義名分も、結局裏には自分の野望がある。大義名分なんてものは、理由にしか過ぎないのだ。あとから付け加えられるただの理由だ。
「…綱吉くん…」
九代目が、弱々しく沢田に話しかけた。沢田に謝りつつ、彼は一筋の炎を見せて気絶した。死んだ雰囲気を見せているが彼は生きている。今すぐ連れて行けば間にあう。僕はひょいっと九代目を持ち上げると、電話をかけるディーノに早くしろと声を上げた。
「対応が遅い。何かあった時のために備えはないのかお前は」
そう睨みあげれば、ディーノは縮こまらせた。流石は沢田の兄弟子だ。そっくりだ。
「…貴様を殺し仇を討つ！」
そうペラペラと云うXANXUSが、無性に腹立たしく思えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 177人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒井蜜柑(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！更新停止が多くなるかもしれませんが、なるべく早く次の話を載せようと思います！ (2018年8月14日 21時) (
レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - めちゃくちゃ面白かったです( *・ω・)ノ更新楽しみにしてます!!! (2018年8月14日 18時) (レス) id: 742e9e233f (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - わっつあっぷふーさん» 失踪……！！？大丈夫です、失踪したら友人に殺されます(*' ')*, ,)...ｩﾝなるべく皆様に心配かけないように頑張ります！ (2017年12月8日 5時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
わっつあっぷふー(プロフ) - 失踪じゃなくてよかったです(*´ー｀*)更新ゆっくりでいいですから失踪だけは… (2017年12月8日 0時) (レス) id: 4ec61bd823 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - みこさん» なんと！！ありがとうございます！更新停止気味で申し訳ないです…！！ (2017年10月20日 23時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒井蜜柑 | 作者ホームページ：http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時：2017年7月10日 20時
