108.『彼女はここに居た』 ページ18
「だからといってクレーターを作る馬鹿がいるか！！」
ぎゃいのぎゃいのと五月蝿い。獄寺みたいだ。ああ、右腕は全員五月蝿いのか。そういう法則でもあるのだろうか。今は日本にいるだろう男を思い出しながら、欠伸を抑える。まあ、彼もこの十年で成長したけど。
「ここにいるけど」
僕がそう言うと、彼は黙した。僕の勝利である。徐に立ち上がると服についた土埃を叩く。所々未だ治らぬ傷が痛む。死に近づけただろうか。
「日に日に遅くなってませんかー、Aさんの再生能力。ここに来たときなんか蜥蜴みたいで気持ち悪かったのに」
酷い言いようなんだが。確かに、僕の再生能力が日に日に落ちていっているのは事実だ。原因は確かではあるが。
「その内死ねるね。嬉しい話だ」
「いや、そこ喜んじゃ行けないと思いますー。ミーが師匠に殺されちゃいます」
喜々として笑う僕に、カエルは呆れたようにそう訴えてくる。何言ってるんだこのカエルくんは。あの男が早々とお前みたいな逸材を殺すわけな……あ、殺すね。多分、殺すね。
「お前、このクレーターどうする気だ」
鮫男は僕の作ったクレーターを指差してそう尋ねる。かなりの重石をつけた故、結構大きいクレーターが出来ている。
「放置に決まってるだろ、ミステリーサークルみたいでかっこいいぞ」
庭にミステリーサークルとはいいと思うぞ。観光客も招いていい感じにしてにしまわないか。
「お前まじで卸すぞ！」
「寧ろ卸してくれ」
駄目だこいつと鮫男が叫ぶのが聞こえる。僕はそれを無視して、そっと吹き込む風を身に浴びる。すると、ふと大きな力を感じた。あ、これって。
「XANXUS、起きたんじゃね。なんかオーラ感じ」
その刹那、僕に向けて死ぬ気の炎が飛んできた。激おこというものらしい。もしかしてこれじゃあ死ねるのではと思い、敢えて避けないでいる。それを察した二人が華麗に避けたのを見て僕にその攻撃が直撃した。
「朝っぱらからうるせえぞ、カスども」
僕は血を吐くと、たぽたぽでてくるその血を拭いもせずに立ち上がる。腕が上がらない、どうやら折れたらしい。
「あーすまないね、XANXUS。一日一回はしていいって約束してたから今してた」
ぼたぼたと血を垂れ流しながら、意気揚々と彼女はそう告げる。
「またカッ消すぞ」
「寧ろ頼むよ」
十年後、成長した姿のAはイタリアにいた。
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遅くなってすいません、出来る限りまた更新します
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黒井蜜柑(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！更新停止が多くなるかもしれませんが、なるべく早く次の話を載せようと思います！ (2018年8月14日 21時) (
レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - めちゃくちゃ面白かったです( *・ω・)ノ更新楽しみにしてます!!! (2018年8月14日 18時) (レス) id: 742e9e233f (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - わっつあっぷふーさん» 失踪……！！？大丈夫です、失踪したら友人に殺されます(*' ')*, ,)...ｩﾝなるべく皆様に心配かけないように頑張ります！ (2017年12月8日 5時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
わっつあっぷふー(プロフ) - 失踪じゃなくてよかったです(*´ー｀*)更新ゆっくりでいいですから失踪だけは… (2017年12月8日 0時) (レス) id: 4ec61bd823 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - みこさん» なんと！！ありがとうございます！更新停止気味で申し訳ないです…！！ (2017年10月20日 23時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒井蜜柑 | 作者ホームページ：http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時：2017年7月10日 20時
