104.『決着せし、暴君との戦』 ページ13
「お前は、血が繋がっていなければ家族ではないと思っているのか」
僕は彼を見据える。彼は確かに、父親である九代目の跡を次ぐものだと考えていたはずだ。
「確かに、お前が喉から欲しがったボスの座は手に入れることはできない。そういう性質を持った力だからだ。それは変えることができない。
では聞くが、九代目は突如として押し付けられたようなお前を見捨てはしなかったはずだろう。それどころか、自分の息子のように慈しみを持ってお前を育ててきたはずだぞ。
お前が裏切ったと罵って、酷く手荒く扱った父親は、お前のことをいつまでも信じていた。
血なんて、どうだっていいと思っていたはずだぞ。
何があってもお前は自分の息子だと、そう彼はお前を育てるときに決めたからだ。
それをも、お前は知らぬ振りをするのか？」
私が並び立てた言葉に、わなわなと震え出したXANXUS。誰もが聞き入っていたこの口頭弁論は、終局を迎え始めていた。
さて、どう切り返すかと意気込んでいた。しかし、XANXUSは言葉を発する前に出血が酷かったのかその場に倒れた。これはこれは、僕のせいではないか。
チェルベッロの張ったセンサーが切れる。スクアーロが悪戦苦闘しながら車椅子を押しているのを笑いかけつつも、太腿にあるガンホルダーから一丁銃を取り出し"ある弾丸"を装填する。
そして、それをXANXUSに向けて打った。やや騒ぐ声もしたが、僕は見てろと呟いただけで彼を見る。
彼の傷は黄色の炎と共に治癒が施されていく。尤も正しくは、細胞分裂の速度を上げているだけなのだが。
「……特殊弾だな」
背後でリボーンが呟いた。僕は、頷くと1つその弾丸を取り出して見してみせた。
「"治癒弾"、僕専用の特殊弾だよ。」
そう僕が笑う頃には、XANXUSの傷は癒えていた。さて、これからどうなるか。
その後、XANXUSは複雑な顔をしたままリングを沢田側に渡したという。尤も、この時点で僕の意識は飛んでおり覚えていなかった。
105.『メビウスの輪を模倣する』→←103:『宵の中で叫ぶ声』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 177人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒井蜜柑(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！更新停止が多くなるかもしれませんが、なるべく早く次の話を載せようと思います！ (2018年8月14日 21時) (
レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - めちゃくちゃ面白かったです( *・ω・)ノ更新楽しみにしてます!!! (2018年8月14日 18時) (レス) id: 742e9e233f (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - わっつあっぷふーさん» 失踪……！！？大丈夫です、失踪したら友人に殺されます(*' ')*, ,)...ｩﾝなるべく皆様に心配かけないように頑張ります！ (2017年12月8日 5時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
わっつあっぷふー(プロフ) - 失踪じゃなくてよかったです(*´ー｀*)更新ゆっくりでいいですから失踪だけは… (2017年12月8日 0時) (レス) id: 4ec61bd823 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - みこさん» なんと！！ありがとうございます！更新停止気味で申し訳ないです…！！ (2017年10月20日 23時) (レス) id: 9eff08ca5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒井蜜柑 | 作者ホームページ：http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時：2017年7月10日 20時
