桜雲156 ページ6
ボンゴレ地下アジト5階。
作戦室を出て右に曲がって少し行った曲がり角を曲がると恭弥のアジトへ通じる通路がある。
壁にある暗証番号を入力すれば閉ざされていた扉開いた。
群れを嫌う恭弥はここを一度もあけたことはない。
だけどもしもの為に暗証番号は教えてもらっている。
ふあぁ…と欠伸をして通路を歩く事10分、前から草壁がやってきた…
沢田綱吉も一緒に。
光里『やあ草壁……と沢田綱吉』
手を軽く挙げれば草壁はこちらに気付き笑う。
……ってなんか鉄…いや血臭いな…
ふと草壁と沢田綱吉に背負われている二人に目が止まった。
どちらも凄い怪我で意識を失っている。
つまり獄寺と山本は当たりを引いたわけか。
草『光里さん、恭さんならいつもの部屋にいますよ』
その声で二人から草壁へと視線をかえ『ん』と頷く。
光里『わかった』
では後ほど、と頭を下げる草壁はそのまま歩いて行ってしまった。沢田綱吉もペコッと頭を下げて草壁を追いかける。
……親鳥についていく雛鳥か。
フッと笑ったところで私は歩き出した。
ーー
恭弥のアジトの一番奥の部屋。
そこが恭弥の部屋となっている。
襖を開ければ救急箱から包帯を手に取る恭弥がいた。
光里『……君も怪我したの?』
そう声をかければ恭弥はゆっくりと振り返る。
雲『咬み殺し甲斐のある奴がいてね』
そして私と目が合えば恭弥は『もちろん咬み殺してやったけど』と不機嫌そうに一言。
どうやらどこの誰かが風紀が乱したみたい。
恭弥の様子からしてそう察した。
恭弥が不機嫌になる理由は主に三つ。
一つは他人が群れる事。
二つは私が他人(主に男)と話したりする事。
そして三つは並盛の風紀が乱れる事。
まぁ二つめに関してはただと嫉妬だからほっとく。
一つめはいつもの事だし…
とか言っちゃうと三つめもそうか。
並盛を愛する恭弥として風紀が乱れる事を最も嫌うから…
光里『そう…』
中に入ってから襖を閉めれば『あ』と恭弥が声をもらす。
雲『今更だけど…ただいま』
光里『ホント今更だね…お帰り』
私は恭弥に近付いて恭弥から包帯を奪う。
光里『手当ぐらい私にさせて』
雲『…うん』
素直に手当される恭弥に思わず笑ってしまった。
……自分でやる、と言い出すかと思ってたけど…
そうでもないみたいだね……
それから沢田綱吉達に説明に行った恭弥だが沢田綱吉達が群れた為に、怒って帰ってきたのはまた別の話。
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