標的22 ページ22
「来てください！」
バジル君はツナの手を引いて駆け出した。
「おいツナ！」
「待って下さい10代目ェ！」
「あっ、コラ！！」
後を追おうとする山本と獄寺を、慌てて引き止める。
「おいッ離せA！」
「待って、まさか戦おうなんて思ってないでしょーね！？」
二人の手には、ダイナマイトと山本のバット。
戦う気マンマンである。
脳裏に、ボロボロになった二人の姿が浮かぶ。
……今二人を止められるのは、私しかいないんだ。
「悪いなA、離してくれ」
「山本まで……！無茶だ、勝てっこない！」
必死に掴む腕を、やんわりと外される。
「10代目の右腕として、黙って見てるわけにいかねーんだよ」
「そういうこった。友達がピンチなんだ、助けに行かねーとな」
山本の手のひらが、ぽすん、と頭に乗せられる。
何も言えないまま、二人は行ってしまった。
「行っちゃダメだ……！」
ああー、もう！！
そう簡単には変えられないか。
どうすれば……
「そうだ、バジル君は……」
私は、ショーウィンドウへ突っ込んだバジル君の元へ駆け寄る。
「ちょっと君、大丈夫……じゃないね！？あらま気失ってる！！」
見ると、額の死ぬ気の炎も消えかけていた。
……あれ？
まさかと思い見てみれば、すでに山本と獄寺は地面に倒れている。
ほらああ言わんこっちゃない！！
確かこの後、なんとかバジル君が食い止めていたはず。
「ちょっとおおおバジル君！？起きて！！もうちょっと頑張ってえええ！！」
ガックンガックン揺さぶってみるが、起きる気配、ゼロ。
これは……まずいのでは……？？
まさか私が二人を引き止めたせいで、バジル君が致命傷でもくらっていたりしたら。
「う゛お゛ぉい」
「げ……」
サアッ、と血の気が引いていく。
地面に影がかかり、すぐ側までスクアーロが接近していることを察する。
「ああ！A！」
「テ、メェ……何、してやがる……」
「バカ、逃げ……ろ……！」
「死にたくなけりゃあ、そこをどけ」
凄まじい、気迫。
背後からでも伝わる緊張感に、冷や汗が伝う。
バジル君は相変わらず目を覚まさない。
私は、彼の身体をそっと横たわらせた。
……やるしか、ない。
一つだけある。
この状況を打破する方法が。
「アァ？おい、さっさと……」
聞こえてるんでしょ。
＿＿＿骸。
あなたの死ぬ気の炎の属性は……
雷
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佐乃(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの寝床はそのうち出るかもです……笑 (2019年7月27日 20時) (
レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
佐乃(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！ (2019年7月27日 20時) (レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - 面白いです。続きが楽しみです。 ヒロインちゃんは結局どこで寝泊まりしてるんだろうw (2019年7月27日 17時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 物凄く面白いです。 (2019年7月27日 16時) (レス) id: fa117b4385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐乃 | 作成日時：2019年7月26日 19時
