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二人の手つきに少し緊張していると、灰谷蘭様が少し微笑んだ気がした。
「口調変えんの無理ならさ、呼び方変えてよ」
『え、呼び方…ですか？』
「俺達のことなんて呼んでる？」
『……灰谷蘭様、と…灰谷竜胆様？』
質問に答えると、二人は深い溜息をついた。
それに何故かと問うと「思いっきしフルネーム」「堅苦しすぎる」という言葉が飛んでくる。
私は別に堅苦しいだとか思わないんですがね…
『ではなんとお呼びすれば？灰谷様、ですか？』
「灰谷じゃ聞き分けつかねーだろ？名前でいーよ。Aちゃんが良いなら蘭ちゃんって呼んじゃう？」
「俺は普通に竜胆でいい」
恐れ多い、という言葉を思わず口から出そうとしたが二人の性格を考えて辞めた。
何だかんだこういう類いの要求は、今まで話した中で断れた試しも無いし……今回も無駄だろう。
『では、蘭様に竜胆様。あと一時間だけお付き合いします』
「あは、様付けは続けるし一時間までケチるんだ。頑固だねぇ」
『…融通が効かないもので』
「あ、拗ねた？拗ねた？」
………どうして蘭様はこんなにも楽しそうに話しているのだろうか…因みに私は全く楽しくない。
はっ、もしやこれが実力の差による余裕の違いというやつ……？
ならば私もその余裕が持てるほど強くなって仕事を円滑に進めなければ。
「兄貴、もう辞めてやれよ。コイツなんか変な勘違いしてそう」
「確かにしてそー」
『…？？』
竜胆様にポンッ、と少し優しく頭に手を乗せられる。そのままガシガシと不器用な手つきで撫でられた。
……何をしておられるのだろう…？あ、髪の感触が気に入ったんでしょうか？
そんな事を思っていると、
「Aちゃんはさ、綺麗だよね」
蘭様に、頬に手を滑らされた。何かを憂いているかの様に伏せられた目に沿うようにある睫毛は長く美しさを増長させている。
……綺麗なのは、そちらでは？
『綺麗なのは蘭様の方では？少なくとも私は蘭様や竜胆様の方がお綺麗に見えます』
「お前、よくもそんな口説き文句を真顔出言えるな…？兄貴もにやけんなよ」
「はは、だって純粋な賛辞って嬉しいじゃん？」
その言葉に、彼は「けど」と続けた。
「本当に綺麗なものってさあ……自分がすっげー汚れて、真っ黒になってからじゃないと分からないモンだよ？」
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蓮 - 三途も同じ状況になってしまうのでしょうかww更新頑張ってください！応援してまーす！ (2022年3月28日 9時) (
レス) @page12 id: b575e31252 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！ぜひ続きを書いて欲しいっ更新待ってます！ (2022年1月4日 10時) (レス) @page12 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 待機…( ′ ′ )← (2021年12月20日 23時) (レス) @page12 id: 912a8b7391 (このIDを非表示/違反報告)
NANA - ここで止まっちゃうのかよ？！www更新してほしいー！！！！！！ (2021年11月26日 5時) (レス) @page12 id: fc6b10805b (このIDを非表示/違反報告)
どっかの犬好き - さ、さんま見てたら思い付いたんですか…凄いですねw更新楽しみにしてます (2021年10月31日 21時) (レス) id: 7c01fc8068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：実珠
| 作成日時：2021年9月9日 23時
