元カノと嘘つきな侍さん 【暗殺教室】 【銀魂】

間違い ページ47

その日は春にしては寒い日だった。

そして、迷惑な逆ナンを丁重に断ったり、ストーカー被害の相談に乗ったり……となかなかイベントの多い日でもあった。

早く家に帰ろう。

そう思ったのが間違いだったのだろうか……急げば急ぐほど駅に着かない。(注 ただの方向音痴)

まあ直に駅に着くだろ。

疲労から深く考えることを止め、ぼんやりとした気分でふらふらと歩いていた。

眠気に襲われ、意識がもうろうとする中、少しづつ発砲音がきこえてきた。

おまけに金属がぶつかり合う音もきこえる。

その瞬間に一気に目が覚めた。

なんともいえない高揚感に襲われる。

別に誰でもいい。

誰でもいい。

「な、なんだお前……ッウアァァァ！」

見開いた相手の眼に刀を振れば、相手は視界を失ったことに驚き、目を防ぎ、わめく。

俺を完全に敵とみなした奴らが背後から数人迫ってくる。

向こうはこっそり忍び寄ったつもりなのだろうが……“視えている”。

血しぶきが上がる。

もっとも、それは俺の血ではないのだが。

馬鹿な奴らだ。

味方を斬るなんてもってのほかだろう。

そこからはさして覚えていない。

気づいたら山積みになった死体の上に立っていた。

一体何が間違いだったのだろうか。

俺はどこで間違ったのだろうか。

下を見ていると何かが体の奥底から湧き上がってきて、気づいたら俺は＿＿＿泣いていた。

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