武州いきなり神威クン【神威】 (ページ10)

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９～誰よりも愛しい君ページ10

資料を見るとさらに嬉しいことが。

地球に着くのが明日だということだ。

あれ、ということはこの船は今地球に向かってるのかな。

だとしたらなんで阿伏兎は俺にこのことを伝えなかった？

あ、そうか。

俺をAと合わせないため。

この考えが一番妥当と言えるだろう。

Aと別れてからの俺は今思い返せば少し異常だった。

戦いの時、たまに笑顔を忘れていたんだ。

俺の作法なのにね。

あと、食べる量も少なくなった。

いつもは他の奴よりもたくさん食べているのに夜兎にしては少ない量にまで減った。

そういやあの団長があれだけの量でいいのかよ！？とかおいおい明日隕石がぶつかんじゃねぇのかとか騒いでたっけ。

阿伏兎には阿伏兎なりの優しさがあるのだろう。

けど、俺もうんそうだねと引き下がれるわけがない。

「ねぇ、待っててよ。」とつぶやいた。

恋い焦がれる彼女の顔を思いながら天井に向かって手を伸ばす。

今日は空を切ったこの手の中に明日はきみがいることを願おう。

息をのむほどに美しく

猫にも負けず劣らずの気分屋。

けど

自分なりの考え方を持っていて

冷たい裏には優しさが隠れている。

誰よりも愛しい君にいますぐでもあいたい。

一刻も早く地球についてほしい。

窓から見える星々にあの青い星が早く見えないだろうか。