検索窓
今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:17,424 hit

16〜離れている ページ17

1か月は過ぎただろう。

彼女はもう俺の事を忘れているかもしれない。

けど、俺はまだ忘れられずにいた。

ちゃんと食べているのだろうか。

ちゃんとやっているのだろうか。

……俺がいなくなったことを気にかけてくれているのだろうか。

なんて淡い期待を抱いていた。

やめよう、彼女はしっかりしてるから。

きっと俺なんかが居なくてもちゃんとやってるよ。

困ったときだって、誰かが助けてくれるだろう。

容姿もいいし、人に好かれる。

だからきっと将来俺なんかよりもいい人を見つけて、幸せになるのだろう。

地球人の男が彼女と一緒に居る様子が目に浮かぶ。

もやもやして、いらいらして、すぐにかき消した。

もしも俺が普通の人間だったのなら。

もしも俺が地球で生まれていたのなら。

憎らしい父の顔、優しい母の顔、無邪気な妹の顔……一瞬浮かんだかと思えば消えていく。

思えばいつもそうだ。

愛したものは全て俺から離れていく。

いや、俺が離れているのか。

どれだけ足を動かしったって、どれだけ頭を使ったって彼女には近づけない。

近づいてはいけないんだ。

悔しい、とでも言いたげに拳を握りしめながら乱暴にベッドへ倒れこんだ。

嗚咽交じりの泣き声が自室に響いていた夜だった。

17〜白い封筒→←15〜内緒



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 春雨 , 神威
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まぷりる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maycry  
作成日時:2017年5月28日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。