13〜ボコボコ ページ14
なかなかあの猫やるなあ。
入って行ってしまった一面の草むらを眺めながら手の甲の傷をさすっていると珍しく焦った様子のAがかけてきた。
相当急いでいたのか大粒の汗をかきながら。
行きを吸い込むたびに揺れる髪に汗が混じって色っぽい、と思った。
「あ、あのさ! 兄さんが、今日来るんだけどッ……」
とりあえず座らせて落ち着かせる。
やっと目に光が差してきたころ、彼女はゆっくりと話し始めた。
まず、さっきの電話は兄さんから。
まあ予想通りあのおまわりさんだ。
それで内容っていうのが明日が休みなのでここに泊まりに来る、ということ。
話を聞いた当初は俺とおまわりさんを別の部屋に泊まらせようとも考えたらしいが、それができない理由がある。
それが……。
「それでね、まだ神威が女の子ならよかったんだけど兄さんがそういうの口うるさくって。」
幼少時に一緒に遊んだ男の子は後でボコボコにやられていたらしい。
え、あの人シスコンなの?
俺と戦った時には想像がつかない感じだったけどな。
色々案を練った結果、俺は屋根裏で寝ることに。
そのまま使わせるのは気が引ける、と言われ掃除を終えた頃にはもう俺たちの影が長く伸びる頃になっていた。
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作者名:まぷりる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maycry
作成日時:2017年5月28日 22時