12〜その後も ページ13
歩き続けて数十分。
いよいよ彼女の家が見えてきた。
俺の家ではないのにどこか懐かしい。
そこからはまたあの生活。
次の日も、次の日も、そのまたあくる日も。
まあ結局9日目には阿伏兎が来ちゃったんだけどね。
けど、俺はその後もAのもとを訪れ続けた。
勿論事前に連絡などなく、いつも俺が彼女にあっていうのは“宇宙船が墜落した”。
いつもいきなりやってきていきなり帰る俺に彼女はどう思っているのかはわからないが彼女はいつも“おかえり”と言って迎えてくれるのだ。
彼女には悪いと思うが彼女に会うことはやめられない。
そして何回目かわからない訪問時。
俺とAは縁側に座って和菓子を食べながらのんびりくつろいでいた。
彼女の膝の上はちゃっかり猫が占領中だ。
……花畑が見えるのは気のせいだろうか。
けど、それと同時にちょっと悔しいな、なんて。
あれ、ひょっとして俺猫に嫉妬してる?
いやいやまだ付き合ってもないのにそんなこと。
苦笑いをこぼしながら桜餅を食べ勧めていると家の中から電話の鳴る音が。
でにいこうとした彼女に気を使ってか猫が今度は俺の膝の上にのってきた。
彼女が家の中に入って行ったのを見計らって悔しさまぎれに猫にこつんとげんこつを当てると思い切り手を引っかかれ、そのままどこかへ行ってしまった。
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作者名:まぷりる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maycry
作成日時:2017年5月28日 22時