生きるの下手くそすぎんか。【国見英】 (ページ19)

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# 大丈夫ページ19

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｢最近、なんかあった？｣

｢え？特にないけど……｣

いや、ほんとは沢山ある。

でも、私よりも辛い境遇の人なんて沢山いるんだから、こんな事くらいで助けを求めるのは甘えじゃないのか？

そんな考えが頭にあるから、英やお母さんに何か聞かれても大丈夫だと言うようにしている。

いつも通りの帰り道を英と歩きながら、お互い今日あった出来事を話していると、突然英は立ち止まった。

｢…どうしたの？｣

｢…あのさ、A、最近女子にいじめられたりしてない？｣

その瞬間、英のファンの子たちからされた色んな嫌がらせが頭を過ぎった。

心当たりがありすぎて心臓がバクバクと音を立てる。

｢…何でそんなこと聞くの？？｣

｢なんか最近元気ないから。何かされたら絶対言って。分かった？｣

｢う、うん。わかった。｣

英の圧に押されて頷くと、小さくため息を1つ吐いて再び歩きだした。

大丈夫。英に助けを求めなくても、こんなの1人で何とかできる。

自分にそう言い聞かせながら、暗い夜道を2人で歩いて帰った。