生きるの下手くそすぎんか。【国見英】 (ページ15)

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# 彼女は限界を知らないページ15

及川side

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疲れがピークに達した時、体が不調な時、ストレスが溜まった時……そんな時、普通の人間は｢疲れた｣とか｢もういやだ｣とか弱音を吐いて現実から目を逸らしてしまう。

そうする事で人は自分を守るけど、Aちゃんは違う。

彼女は自分が疲れている事にも、疲労で体が限界を迎えている事にも気づかないのだ。

さっきのだって本人はただバランスを崩しただけって思ってるんだろうけど、あの顔とやせ細った体を見る限り、体が限界を超えているんだと思う。

それに…原因はまだ他にもあるような気がする。

周りに頼る事だけでも覚えてくれたらいいんだけどなぁ…

ここ最近、国見ちゃんが悩んでたのはこーゆー事だったのか。

あの生き上手な国見ちゃんをここまで悩ませるんだから、ある意味Aちゃん凄いな。

｢…ほんと、生きるの下手くそなんだから。｣

誰もいない廊下を歩きながら俺は独り言を呟いた。

さぁて、生きるのが下手っぴな可愛い後輩ちゃんの為に一肌脱ぐとしますかっ！

｢ほんと俺ってめちゃくちゃ良い先輩だよね～！｣

教室に戻って岩ちゃんにそう言うと、ゴミでも見るような目で見られたのは絶対忘れない。