疑問を持っただけなのに (ページ5)

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四疑問ページ5

あいつ、今なんて言った？
京子を、商品扱い？ふざけてやがるな

あまりの発言に浮かれて楽しんでいた花も正気に戻ってドンびいているし
流石の京子も怒って乱入しようとしている

沢田君はトイレに行ったらしい
彼はトイレといって逃げることが多々あったため不安ではあるが、この勝負なんとかして勝ってほしい

大体あの先輩は確実に勝利するために相手が初心者にも関わらず、自分のフィールドに持っていくのも腹が立つ

そうこうイライラしているうちにまたパンイチの沢田君が雄たけびを上げながら戻ってきた
と、思ったら防具も受け取らずに真っ先に先輩の元へ走っていった

そして、先輩に頭突きを思いっきりすると馬乗りになり…。

髪をむしり取った

はぁ？！？！
呆気に取られていたが、周りが笑っているのに気づいて気を取り直した

いや、そうはならんやろとは思ったがいいぞ沢田君！！最高だ君は！！
あの先輩がやられたことに喜んだのでもういろいろおかしいところがあったのは無視である

先輩の髪が全部抜かれてやっと上がった沢田君が勝利したことを知らせる旗

それをかわぎりにドッとみんなが沢田君に群がり、彼を称賛した

そこに京子が近づくので一緒にいく
約束したし

「ツナ君、昨日はこわくなって逃げだしてごめんね...」
「えっ、いや....えと、あの！」
「あたし、よく友達に笑う場所わかっていないっていわれるの」

え、そこ？
やっぱりそういうわけじゃなかったみたいで、告白が伝わっていなかったことにショックを受けている

「ツナ君ってすごいんだね、ただものじゃないってかんじ」

その言葉にどこか嬉しそうな彼を見て少しほほえましくなった
ただほんとに残念なのは、彼がパンイチだということである

『ありがとうね沢田君。持田先輩倒してくれて』
「え？」
『私、あの人嫌いなのよ。今回の件だって、京子のこと思うなら大事にしないのが一番だったし、京子を商品扱いしたし、君との勝負だって初心者相手に重りのついた防具使わせようとしてたのは腹立つし』

二人係で重そうな防具はふつうあり得ないし

防具のことには気づいていなかったみたいで心底驚いていた

『だから、ありがとう』

もう一度感謝の言葉を述べて京子と花を連れて道場を出た