疑問を持っただけなのに (ページ21)

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二十疑問ページ21

桜がなくなってきて少し息が安定してきた雲雀さんは私のほうを向き、少し離れた

『大丈夫ですか？雲雀さん。』
「...平気だよ、これくらい。...君、あんなに怒れたんだね。」

『怒りますよ！...確かに風紀委員に入ったのはほとんど不可抗力みたいなとこありましたし、なんなら嫌で嫌で仕方ありませんでしたけど...今となっては大事な場所なんです

雲雀さんはいやかもしれませんけど、風紀委員という狼の群れのボスは貴方だ。そのボスを尊敬しないやつがどこにいますか』

そういうと心底驚いたという顔で私のことを見てきた
暫くそうしているといつも通りの少し不敵な笑顔で私の腕をつかんできた

「へぇ、そう。君は少なからず僕のこと、尊敬してるってこと？」
『少なからずも何も。とても尊敬していますよ。...まぁたまにそれどうなん？ってときはありますけど。』

少し愉快そうに笑った彼はつかんでいた手を放しさっと前を向いた

「お腹すいた。君の弁当まだ食べてる途中だったし…早く帰るよA」
『...はい、わかりましたよ。雲雀さん』

...ん？

『って、あー！！』
「...ナニ？どうしたの？」
『花見会場に、お弁当おきっぱだったの忘れてた！！』

ああ！何やってんだ私！！
あの場から去ることに意識持ってかれすぎてすっかり忘れてた

「...副委員長に持ってこさせるよ」
『あ、ほんとですか？ならよかった。どこで食べます？』

「僕の家」
『分かりました。肩かしましょうか？まだふらついてるでしょう』
「いらない」

さいですか

ここでへんに食い下がっていけない。
雲雀さんはプライドが高いから同情とか慈悲とかその他もろもろが嫌いなのだ

「今日は僕の家に行っても訓練はなし。弁当食べ終わったら回収して帰っていいよ」

『よっしゃ！ぼろ雑巾にならずにすむぜ！(分かりました。)』
「……ばかなの？表情と言ってること違うけど」

『あっと本音が、ダストボックスに入れときますね』

普段通り少し巫山戯ていってみると

何が面白かったのか少し笑った雲雀さん
その顔があまりにも儚すぎるように見えて…

「ちょっと、僕より先を歩かないでよ」
『この先通る道に桜ないか見てくるだけです！！』

少し熱くなってしまった顔を見せまいと咄嗟に嘘をついて先に進んだ。

って、なんだこれ少女漫画かよ！勘弁してくれ！！
雲雀さんヤバいやつだけど実はべらぼうに顔がいいんだ！

そんなん顔赤くなるだろ許せ！！