08優しさ ページ8
「…ううっ…」
緊張が解けて私はその場に崩れこんだ。溢れる涙は止まらなくて、着崩れた制服も直す余裕すらなかった。
「……何してんだよてめぇは」
ポッケに手を入れながら勝己がいつもの口調で話しかける。
「っ…う、うう……」
だけど、返事もできなくて…体の震えもまったく止まらなくて…
「……バカ女…」
「…っ！」
すると、勝己は眉間にシワを寄せながら私に目線を合わせ、私の着崩れた制服を直してくれた。
「…か…かつき…」
「……なんだよ、見てんじゃねぇ」
そう言って、強引にわたしを引き寄せ抱きしめた。
「っ！！！…か、か…」
「るせぇ！！！喋んな！！！
震えてんだろうがクソが！！」
「っ…」
そうやって暴言をはく勝己の身体はすごく暖かくて…とても落ち着いた…
普段、酷いことばかり言ってくる勝己だけど、今はとても優しく抱きしめてくれて…なんだかいつもの勝己じゃないみたいで…
「…う…こわかった…こわかったよ勝己ぃっ…」
「…おう…」
わたしも勝己の背中に腕を回した
勝己の大きな背中…
わたしは勝己の胸に顔をうずめて泣きじゃくった
優しく頭も撫でてくれて
不器用に「怖かったな」って
そう言ってくれる勝己
「…うっ…なんで…ここの場所が…分かったの…」
「…カン」
「っ…ぐすっ……野生…」
「あんだとクソ女！！…！！」
再び勝己をぎゅっと抱きしめた
「…おい…く、苦しいわ」
「…今日だけだから…許して…」
「……ちっ……」
･
「…ありがとう…勝己…助けてくれて」
「…」
だいぶ落ち着いて、勝己と横並びで歩いて家に帰っている。
「……ごめん…わたし、勝己に…謝ろうと思って…勝己に会いに行こうと思ってたの…」
「……」
「今朝のこと…言いすぎて…ごめんね…」
「…ん」
不器用に返事をしてくれた勝己
「…嫌いなんて言ってごめんね…そんなこと…思ってないから…」
「…ん」
「……」
怒ってるのかな、勝己、呆れてる？
「…勝己…わたしのこと、嫌いになった…？」
「てめぇはいつまでもめそめそしてんじゃねえ！！うるせぇんだよ！！！」
「ぅっ！！」
ど、どなられた…
「嫌いになるわけねぇだろクソが！！」
「！！」
勝己…
わたしの前を歩き出す勝己
「ふふっ、待ってよ勝己！！」
「何笑ってんだよてめぇっ」
「何でもないよー！」
勝己…ありがとね…
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シズク(プロフ) - きっこさん» きっこさんありがとうございます！(；；)続篇に移りましたが頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2018年7月26日 8時) (
レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
きっこ - 話の展開が気になりすぎてヤバいです！毎回更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年7月25日 18時) (レス) id: 18af6740d4 (このIDを非表示/違反報告)
シズク(プロフ) - おかさん» ご指摘ありがとうございます、以降、気をつけます…。 (2018年7月15日 23時) (レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
シズク(プロフ) - 琉唯さん» ありがとうございます！頑張って面白い話考えますので今後もよろしくお願いします！！(^O^) (2018年7月15日 23時) (レス) id: 6007a626ed (このIDを非表示/違反報告)
おか - ２１ページの緑谷が緑屋になってます (2018年7月15日 20時) (レス) id: 6bb468f785 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シズク | 作成日時：2018年6月30日 16時
