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援けは要らぬと動揺は要らぬと ページ44

私達は、予想逃走経路の一つに辿り着いた。


狭く、薄暗い路地裏。

都会の鴉が残していった残飯が其処中に広がっている。


其れにしても、織田作足速いなあ、と感心する。



其の時。



「......」



私は、建物の隙間からナイフを持った人物に掴みかかられた。


まるで動物を解体するようなナイフが横にひらめく。



「A!!」



織田作が私に叫んだが、伊達にも私は首領補佐をやっていない。

私は顔を横に倒してその一撃を避けた。


ナイフの先端が耳の端を掠り、冷たく尖った慣れない感触がした。


私はもつれ込む様に体当たりする相手の胴体を足の裏で思い切り押す。

反動で私は塵の山に投げ込まれそうだったが、路地裏の壁に何とか扱けずに収まった。

何よりも、相手と距離が取れたので一安心だ。



不意に私は襲撃者を見る。

鼠色の襤褸をまとい、国籍不明の男。

一見放浪者にも見える身形だ。


小刻みに体を縦に揺すり、左のナイフを逆手に構えている。

そして、全身から叩き込まれた闘犬の様な何かの殺気が溢れ出している。


恐らく、此の男は私と織田作をマフィアだと知っている。

然し、此の男は其の事に全く動じていない。

其の事から、先刻の狙撃手と此の男は同一人物だと考えられる。


男は踏み出し乍ら、ナイフを握った左拳を突き出した。


___しかし、私は避けない。


何故ならば。



「俺が相手だ」



こうなる事を予知していたから。


片手に持つ刃は何処へ→←狙撃者、狙うべし者は


文豪達のラッキー愛

乱歩さんのお菓子への愛


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アルパカはむはむ(プロフ) - れたすさん» すいません、修正します! (2017年3月22日 20時) (レス) id: aa53b83762 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 苗字と名前がおなじになってますよ! (2017年3月22日 20時) (レス) id: c8875f112f (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - オリエンス★さん» 誤字報告有難う御座います!よく間違えてしまうんですよね......(+_+)すいませんでした、修正します! (2017年2月26日 21時) (レス) id: be55d2a0f5 (このIDを非表示/違反報告)
オリエンス★ - あの、姐さんの名前ってこうようですよね?28ページの11行目、ルビがくれはになってますよ? (2017年2月26日 19時) (レス) id: 45aae5d70b (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - 続編出来ました!皆様、沢山の評価、お気に入り有難う御座います。今後とも宜しくお願い致します! (2017年2月25日 22時) (レス) id: be55d2a0f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルパカはむはむ | 作成日時:2017年2月17日 19時

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