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視えた物に躊躇はなく ページ42
織田作は私と金庫を抱え、床のカーペットに身を投げ出した。
そして、ほゞ同時に硝子が割れる破砕音。
正面の壁に黒い孔が一つ現れ、直に二つに増える。
「A、大丈夫か」
「はい、織田作さんの方こそ＿＿＿
狙撃手、ですかね」
特にお互い戸惑う事無く、平常心で居られた。
......織田作の異能が有ったからだろうが。
織田作は脇から銃を取り出し、壁に背をつけ構え、私も織田作の隣に並んだ。
「其の様だな
A、外に出るぞ
此処は危険だ」
織田作はそう云い、私は織田作の後を追った。
＊
私と織田作は手摺りを滑り落ちる様に、外に出た。
狙撃手の正体を確かめる必要がある＿＿＿其の為には居場所を掴まなければ。
まだそう遠くには行っていない筈、とホテル内を人を突き飛ばす様に走り、建物を出る。
「太宰さんに電話＿＿＿ですか
私がします」
織田作は少し焦りを見せたのを私は見逃さなかった。
先刻の狙撃とも云え、助けていられるばかりでは＿＿＿と思い乍ら、ズボンの口袋に手を突っ込み、最新型携帯に太宰治、と表示されている処に触れる。
「太宰さんですか」
《Aちゃんじゃないか、先刻は何か遅刻、何て思っていた様だけれど......
君から電話何て此れが初めてだよ！
明日は槍でも降ってくるのではないか、と思ってしまう位に
まさか私が恋しくなって電話を？！
だとしたら日々の君の態度は照れ隠＿＿＿「狙撃されました、逃げ道を塞いで下さい」
私が云うと、太宰さんは先程の煩さは何処から、と思う程に静かだった。
「安吾さんの部屋です
今織田作さんと狙撃手を追っています
古書通りの向かいに在る楼閣が狙撃点です
あそこから逃走するとすれば、国曜寺の方に抜けるか、埠頭への搬入口を抜けるか、御船商店街の裏を走り逃走するしかありません」
織田作は、一瞬迷った表情をした。
恐らく、何でもやの彼どいえど、こういう緊急事態に咄嗟に信頼出来る人物は太宰さんしか居なかったのだろう。
......べ、別に織田作に信頼されなくても悲しくないんだからね！勘違いしないでよね！
......矢張りつん照れというものは、私がやっても気味が悪いだけだった。
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アルパカはむはむ(プロフ) - れたすさん» すいません、修正します！ (2017年3月22日 20時) (
レス) id: aa53b83762 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 苗字と名前がおなじになってますよ！ (2017年3月22日 20時) (レス) id: c8875f112f (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - オリエンス★さん» 誤字報告有難う御座います！よく間違えてしまうんですよね......(+_+)すいませんでした、修正します！ (2017年2月26日 21時) (レス) id: be55d2a0f5 (このIDを非表示/違反報告)
オリエンス★ - あの、姐さんの名前ってこうようですよね?28ページの11行目、ルビがくれはになってますよ? (2017年2月26日 19時) (レス) id: 45aae5d70b (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - 続編出来ました！皆様、沢山の評価、お気に入り有難う御座います。今後とも宜しくお願い致します！ (2017年2月25日 22時) (レス) id: be55d2a0f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルパカはむはむ | 作成日時：2017年2月17日 19時
