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否、失う者など ページ33

同じ時刻、太宰さんは港にいた。


___なぜ此処に私が居るかと云うと、其れは首領からの命令であるからである。

太宰君が心配だから最初の方だけ付き合ってくれ___との事。


因みにこの後、織田作と合流の予定である。

ていうか首領、どれだけ太宰さんの事心配なのかよ、と思う。



ヨコハマの海岸沿いに十分も歩くと、人工林に囲まれた倉庫街に私は辿り着く。


そこには登録番号を削り落とした小型船舶や、世界各地から集まる盗難車両や、爆薬を精製する為の大型分離機が並んでいる。

近隣の住民はおろか市警でさえ用が無ければ立ち入らない、ポートマフィアをはじめをとする黒社会が管理する、謂わば地雷地帯。

その海岸に今朝、三人の死体が打ち上げられた。



「市警に連絡が行かぬよう手を回せ

それから掃除屋を呼べ

死体を運ばせる」



死体が打ち上げられた現場では、黒服の男達が黙々と動いていた。

ポートマフィアの構成員達。

街のならず者である構成員たちも、今は表情を消して、只命じられるまま作業を進めている。


......にしても、腹減ったな(白目)

此の仕事の所為で朝食摂ってないんだよ(白目)

織田作を助けたいからには動くけど、朝食のチョコマフィン食べたいんだよ(お前は朝食何摂ってんだ)


まあ朝食の話は此れ位にし___理由は二つ。

打ち上げられた死体が彼らの同僚___ポートマフィアの構成員であるため。

そして事態の重さから、現場にまもなく五大幹部の一人が視察に来る為。


「遺体から解ることを最大限に探ること

私は遺体の家族に事情を話す」



現場を指揮をするのは、年さかのマフィア員。

白髪に葉巻、黒外套も背広も、残らず糊を利かせた、紳士然としたマフィア。

最古参の一人、《広津柳浪》だ。


......嗚呼、数年後には国木田さんに背負い投げされているのですか、あの人は。

腰拙そう、と違う事を考え始めた私に、あの声が聴こえてきた。



「おっはよー

皆さーん」



太宰さんである。


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アルパカはむはむ(プロフ) - れたすさん» すいません、修正します! (2017年3月22日 20時) (レス) id: aa53b83762 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 苗字と名前がおなじになってますよ! (2017年3月22日 20時) (レス) id: c8875f112f (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - オリエンス★さん» 誤字報告有難う御座います!よく間違えてしまうんですよね......(+_+)すいませんでした、修正します! (2017年2月26日 21時) (レス) id: be55d2a0f5 (このIDを非表示/違反報告)
オリエンス★ - あの、姐さんの名前ってこうようですよね?28ページの11行目、ルビがくれはになってますよ? (2017年2月26日 19時) (レス) id: 45aae5d70b (このIDを非表示/違反報告)
舞花 - 続編出来ました!皆様、沢山の評価、お気に入り有難う御座います。今後とも宜しくお願い致します! (2017年2月25日 22時) (レス) id: be55d2a0f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルパカはむはむ | 作成日時:2017年2月17日 19時

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