→ ページ2
へらっと笑いかけられて馬から飛び降りた彼が私の真横をかすめるように異常なスピードで距離を詰め、通り過ぎていく。
「すぐに終わるから、ちょっと待っててよ」
ぽん、と肩に置かれた手。
真横でまたにこっと笑う彼に私は反応出来なかった。
悲鳴、血、剣、パーツ。
色々なものが舞い飛び、残された馬の嗎だけがその場に残った。
本当に一瞬のことだったと思う。
とても私の動体視力では追いつかないスピードで次々に残像がその場を駆け抜け、倒れる敵も味方もそのどれもの私以外の人間が地面に触れるまでがスローモーションに見えてしまうほどだった。
「や、お待たせ!
いやぁ、久しぶりにダイヤ剣使うからちょっと手こずっちゃったや」
びゅおっと風を巻き起こす勢いで血に濡れた剣を振り、血を払い飛ばした彼はまたへらっと笑う。
「...あ、の
貴方は...?」
何度も言うがここは戦場だ。
どこからか、いつからか現れたかわからない彼が無邪気な子供のように笑って、なぜか私だけを残してあとは殺してしまったことに恐怖を覚える。
「ああ、自己紹介がまだだったね
んん!!...どうも、らっだぁ...です!」
ピコン!なんて謎の効果音まで丁寧に自分で言った彼はググッといつのまにか距離を詰めて顔を近づけてきた。
「らっだぁ...!?
あの、青鬼の...」
「ピンポーンせいかーい!
青鬼のらっだぁだよ」
数々の不思議や秘密で隠されており他の国でいう幹部の座を運営が座り、何故か国民は自らをら民と称す。
またその構成は何故か隣国の国王さえも含まれているというのに特別条約を結んだわけでも、取り込んだわけでもなく王も隣国の国民もら民と名乗るものさえいるという。
あのらっだぁ 国の国王であり戦場では通称青鬼と名の知れた人が、そんな人が目の前にいる彼らしい。
「本当ならゆっくり話したいところなんだけど、君の国の援軍が来ちゃったみたいだから...ごめんね?」
何処からか彼の手には端末の画面のようなものが浮かび、青白く輝き始める。
『/whitelist add <A>』
彼が不思議な言葉を唱えれば、何故か私の体が一瞬青白く輝いた気がして
驚きにぼけっと行き場のない剣を構えていた私は慌てて剣を構え直す
なんだかわからないけれど、彼が戦場にいると言うならば敵なのだろう。
背後から自軍の兵が駆けつける足音を聞きながら剣先を彼に向ければ、またどこからかだしたのか奇妙な模様のある箱についたボタンを楽しそうにポチッといいながら押した。
622人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
透明玄師(プロフ) - 初見ですさん» コメントありがとうございます。7年ぶりに戻ってきたので当時とは書き方が変わってしまいますが続き検討いたします!語彙がかなり下がってしまっているので申し訳ない💦 (4月22日 4時) (レス) id: e13ba85518 (このIDを非表示/違反報告)
初見です - あ、あのめちゃくちゃ大好きですよければ数年ぶりですが続きとかって。。。 (12月21日 2時) (レス) @page45 id: 2300fa5b80 (このIDを非表示/違反報告)
Mentaiko(プロフ) - ページ36のruさんの「はぁ!?」の表記がrdさんの表記になってますよ、 (2023年1月8日 19時) (レス) @page36 id: da99e2fb00 (このIDを非表示/違反報告)
透明玄師(プロフ) - honaさん» 他とは被らないことを意識しつつマイワールド展開したらこうなっちゃいましたw更新頑張ります!ありがとうございます! (2019年5月19日 20時) (レス) id: 9aba64d5b7 (このIDを非表示/違反報告)
透明玄師(プロフ) - イトさん» コメントありがとうございます!何回も!?それは更新遅くて申し訳ないです…!コメント頂けるだけで十分嬉しいので大丈夫ですよ、ちまちま更新頑張りますね! (2019年5月19日 20時) (レス) id: 9aba64d5b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:透明玄師 | 作成日時:2019年2月4日 3時