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22.cowardice ページ22

「つかさぁ、もしここでオレを捕まえたってアンタらオレが犯人って言い切れなくないッスか?」
「なんだと?」
「だって、オレが怪我させたって証拠、ないッスよね。誰かオレが魔法使ってるとこ見たんスか?そんで、それ写真に撮ったりしたんスか?してないッスよねぇ?」

僕はラギーに追いつくのに必死で既に息が上がっている。
流石、ラギーだ。
身のこなしが軽く、僕が躓きそうになると助けてくれた。

明らかに僕は足でまといなのに何故連れてきたのか一瞬疑問に思ったが良く考えれば簡単な事だった。

おそらくリドルへの牽制だろう。
リドルは僕が人質に取られれば何も出来ないと思っての行動。
心のどこかでそうであって欲しいと願う。

「卑怯者〜!」
「卑怯者?褒め言葉ッスわ。シシシッ!次にオレを追い回すときには証拠揃えてから来てくださいッス。ま、君たちじゃ次も無理だろうけど。」

ようやく解放されると思うとラギーは未だに僕の手を離さない。

「んじゃ、今日の追いかけっこはここまで。あ、さっき盗ったマジカルペンはここに置いとくッスよ。ばいばーい♪さ、戻るッスよ、セシル君。」
「「えっ?」」

僕だけじゃなく、エース、デュース、グリム、監督生までも目を丸くしている。

仕舞いには監督生がリドルに首をはねられてしまうと身を震わせていた。

監督生は魔法が使えないから大して意味が無いだろうに。

大して関わったことも無い子達相手で申し訳ないが、かなり胸が苦しい。

また『リドル』。

『リドル』が怖いだけ。

だから『僕』を助ける。

それだけ。

少し、僕ら双子を舐めすぎてはないだろうか。
そんなことも、言えやしないけれど。

下を向いて、こらえる。
そんな時、ラギーが声を上げた。


「キミらにとってはセシル君はリドル君の為に取り戻すんでしょーけど、それってセシル君にもリドル君にも失礼ッスからね?そんじゃ!」
「ちょ、ラギー!!」
「ほら、さっさと教室戻って続きするッスよ!」

そのまま引っ張られへ元来た道を走って逃げていく。


「あり、がとう。」
「シシッ!さて、なんの事だか。」

やっと声に出せた心の声。

『ありがとう』

なんだか、一歩前に進めた気がする。

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(名前)(プロフ) - あぁ…良い…でも見ていくうちにどんどんりどるのゲシュタルト崩壊が… (2023年1月25日 7時) (レス) @page8 id: 2e5d9e36c3 (このIDを非表示/違反報告)
ののの - 素晴らしかったです!!!!😭 (2022年9月19日 0時) (レス) @page42 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
♦nana♦ - とても最高でした! 私も、自分らしく自由にいていいと思うことができて、とても嬉しかったです!応援しています! (2022年1月1日 21時) (レス) @page42 id: 16b63c63b8 (このIDを非表示/違反報告)
シン - 神な作品ありがとうございます!!これからも応援してます! (2021年5月29日 10時) (レス) id: 0fa80a0c97 (このIDを非表示/違反報告)
病葉 - いやぁ…あのリドルの悲痛の叫びを花江夏樹が…今をときめく鬼狩りの少年がよぎったのは気のせい? (2020年10月23日 22時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小坂谷 真夜 | 作者ホームページ:@lag0n027  
作成日時:2020年5月17日 22時

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