13.apology ページ13
「肋骨が2本折れていますね。」
医務室で淡々と保健医がそう答える。
僕の隣に座るリドルはかなり不機嫌である。
ことは数十分前に遡る。
翌朝、僕は痛む横腹付近とありとあらゆる人を無視して教室へと向かった。
リドルに会いたくない、寮生に会いたくない一心でなるべく早く寮を出たつもりだった。
「待ってくれセシル！」
廊下を歩く足をピタリと止める。
後ろから慌てて追いかけてきたのはリドルだった。
振り返ると、申し訳なさそうに、悲しそうにこちらを見つめるリドルがいた。
「少し、話がしたいんだ。」
「ごめんリドル。今日は急いでいるんだ。」
そう言って再び進もうとした時にリドルに腕を引っ張られる。
腕を引っ張られることにより、横腹も当然動くわけで、激痛が走った。
「ッ！！」
「やっぱり。」
「ちょ、リドル！！」
リドルは昨日オーバーブロットしたばかりだと言うのに、僕を浮遊させ、強制的に連行した。
そうして冒頭に至るわけだ。
「お大事に。座学以外は受けないようにしてくださいね。先生方には既に連絡を回してあります。」
処置をしてくれた先生はまた来週来るように言うと、もう帰っていいと言った。
リドルは再び僕を連れて、空き教室へと向かう。
「ねぇ、リドルどうしたの…？今日のリドル、なんかおかしいよ…？」
「……ごめんなさい。」
リドルが空き教室について1番に発した言葉はそれだった。
僕は戸惑いを隠せない。
「僕、気付いてたのに、知ってたのに。」
「うん。」
「僕、セシルともっと色んなことしたいっ、セシルともっと一緒にいたいっ。ごめんなさいっ！ごめんなさい！」
そう言って泣き出すリドル。
ああ、リドル。
狡いよ、リドル。
君は何も分かっていない。
「僕も、リドルともっといたいよ。」
こんなにも僕のことを考えてくれるリドル。
僕と双子で生まれてきてしまったリドル。
ねぇ、リドル。
僕、君のこと、本当に好きだよ、君と双子で生まれてきてよかったと思うよ。
『あんなひどい仕打ちがなければね。』
リドルは何も悪くないのはずっと昔から知っている。
それでも僕の中には依然黒くドロドロした感情が残ったままだった。
『ごめんね、リドル。』
そんな言葉はまだ出せずにいた。
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(名前)(プロフ) - あぁ…良い…でも見ていくうちにどんどんりどるのゲシュタルト崩壊が… (2023年1月25日 7時) (
レス) @page8 id: 2e5d9e36c3 (このIDを非表示/違反報告)
ののの - 素晴らしかったです！！！！😭 (2022年9月19日 0時) (レス) @page42 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
♦nana♦ - とても最高でした！ 私も、自分らしく自由にいていいと思うことができて、とても嬉しかったです！応援しています！ (2022年1月1日 21時) (レス) @page42 id: 16b63c63b8 (このIDを非表示/違反報告)
シン - 神な作品ありがとうございます！！これからも応援してます！ (2021年5月29日 10時) (レス) id: 0fa80a0c97 (このIDを非表示/違反報告)
病葉 - いやぁ…あのリドルの悲痛の叫びを花江夏樹が…今をときめく鬼狩りの少年がよぎったのは気のせい？ (2020年10月23日 22時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
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