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くすくすと笑う綺麗なお顔が目の前に。いや、ホント、なんでこんなことに。
っていうか、私汗かいてるから絶対、べたべたするだろうし。絶対鼻の頭に汗滲んでますし。
なにより恥ずかしさが、すごい。
羞恥心に全身包まれてるみたいな。なんていうんだっけ、こういうの。
「りぶさん、なんか今日、すごく積極的なのは、暑さにやられでもしたからですか。」
「そうかもしれない。」
そう言っては唇を合わせて、恥ずかしさを誤魔化すように優しく笑う。
そんなの、ずるいですって。
「本当に、おばかさんですねりぶさん。」
床に水たまりを作るカップアイスに、視線を泳がす。
羞恥心も熱さも、消えちゃえ、ばか。
すると頬に手を添えられてりぶさんの方へと強制的に視線がいく。
あ、汗。
りぶさんの真っ赤な頬を流れる汗が、きらりと輝いた。
少しの沈黙を扇風機の音が繋いでくれる。
ゆらゆらと揺れる髪の毛を、撫でるりぶさんの手が、熱くて。私の頬も熱い。
どちらともなく、また、唇を繋いだ。暗黙の了解。
アイスの後味か、とても甘かった。甘くて熱い恋の成就。
今までも恋人ではあったけど、今やっと正式にりぶさんの彼女になれたみたい。
「…、好きです。」
「ふふ、もうそれ、聞きましたよりぶさん。」
今度は私からキスをした。
どうせ熱いなら、燃えるくらいまで熱くなってしまえ。
「りぶさんのせいで、溶けちゃいそうです。」
「…、Aさんのせいで、溶けちゃいます。」
視線を絡めて、唇を合わせる。頬をなぞる二人の汗が溶け合って、床に沈んだ。
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ももいちご。(プロフ) - イベント見返してたら、評価するのこっちでした!すみません(;_;) 一つ一つの文がとても丁寧で、二人の様子がびっくりするくらい想像しながら読み進めることができました。積極的なりぶさん、素敵でした!! (2018年8月23日 10時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西汰 | 作成日時:2018年8月16日 20時