20日目 ページ21
「……怖かった？」
二人一緒の布団の中で万次郎が私に尋ねる。
私がなんのことだろうと首を傾げると、万次郎は
誘拐されたこと、と付け足した。
「怖くなかったといえば嘘になるけど、きっと万次郎来てくれるって信じてたから。まあひさしぶりに万次郎に会えそうだしラッキーって思ってた。」
「……馬鹿な奴。」
その言葉に私はムッとし、万次郎の両頬を軽くつねる。頬には肉がほとんどなく、胸がずきりと痛む。
彼を救える日は来るのだろうか。
「バカはどちらですかー。絶対ご飯食べてないでしょ。バレバレ。またクマも酷いし……。」
その言葉に万次郎はふっと笑って、私に抱きつく。
今の万次郎は穏やかで、素直だった。
「……絶対、守るから。」
「……うん。」
そう言うと万次郎は私の頬にキスをして起き上がった。
「……立て込んでる仕事がある。
すぐに帰ってくるから。お前の世話役を必ず一人付けとく。なんか欲しいものや困ったことがあったら呼べ。」
至れり尽くせりで申し訳ない。
「ん。わかった。待ってるよ。行ってらっしゃい。」
今度は私が万次郎の頬にキスをする。
彼は泣きそうな、幸せそうな顔をして部屋から出ていった。
なんだか新婚さんみたい……と私の頭はお花畑である。
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雪ん子(プロフ) - 最高です！！ってことは最終話軸？最終話時空の話見るの初めてなので何だか新鮮でした！！ (7月23日 11時) (
レス) @page30 id: fa924563b5 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 瀬琉ﾁｬﾝ.さん» コメントありがとうございます。そう言って貰えて光栄です……！ (2022年8月6日 2時) (レス) @page30 id: f3216aef7e (このIDを非表示/違反報告)
瀬琉ﾁｬﾝ. - とても深いストーリーに感動しました...!! 本誌の内容が良い感じに組み込まれつつハッピーエンドで完結できる作者さんの文才うらやましいです((( (2022年8月2日 23時) (レス) id: e12b8018fd (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - 七瀬太さん» コメントありがとうございます！私もとても楽しみにしています！ (2022年7月30日 16時) (レス) id: f3216aef7e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬太 - すごい泣ける🥹公式？の方の最新刊も本当に楽しみです！ (2022年7月25日 16時) (レス) @page30 id: 320abee8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずぴす | 作成日時：2021年9月24日 9時
