羽が7枚 *澤村side ページ10
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俺、澤村大地は今、頭を抱えている。
清水がインフルエンザにかかったらしく、学校を休んだ日。田中と西谷が、
「ジーザスッ!!」
「あの潔子さんが……」
「ありえない……俺らはいったいどうしたら……」
など、まだ予想の範囲内のことを叫んでいた。あいつら、清水のこと大好きだからなぁ。
___しかし、問題はここからだ。
スガも、旭も、俺も、2年の他の奴らでさえ、今日の練習はもうダメだろうと予想してた。だって、いつも清水にいいところを見せようと頑張ってる部分あるからな。でも、2人で生気の無くなった顔をして話し合いをすると、
「行くぞ!ノヤっさん!!」
「おう!今行くぜ!龍!」
と、言って体育館を飛び出して行ってしまった。
話し合いの内容は聞き取れなかったが、なんだか嫌な予感がするのには変わり無い。その上、生気の無い顔をしていたはずなのに、元通りどころかそれ以上の、輝きを取り戻した表情をしていたから、余計に嫌な予感は倍増する。
しばらくして2人は体育館に戻ってきた。一体何をしてきたんだ…。とてもとても生き生きとした顔をしていた。体育館を飛び出したとき以上にキラキラしている。
一直線にこっちに向かってくる2人。すると、2人が声を揃えていった。
___とてつもなく衝撃な言葉を。
「「大地さん!!臨時マネージャー見つかりました!!」」
「おお、おお、そうか、やっと練習する気になってくれたか……」
やっと練習が進められる。そう思ったのに、二人の言ってることを理解して、動きが止まる。
「……ちょっと待て。お前ら今何て言った?」
俺は2人に聞く。田中と西谷が順に答える。
「ですから、」
「臨時の女子マネージャーが」
「「見つかりました!!」」
その後、体育館に全員の大きな驚きの声が上がったのは言うまでもない。
て言うか田中、お前女子に話しかけれたのかよ。
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作者名:七瀬月華 | 作成日時:2021年7月29日 15時