羽が8枚 ページ11
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ようやく全員が落ち着いたころ、二人が詳細を説明し始めた。
｢今日いきなりは無理だそうで……｣
｢明日から1週間参加してくれます!!｣
｢あ、ああ…ありがとう……｣
生き生きとした様子で、2人は澤村に軽い説明をする。真偽のほどはまた明日確認すればいいだろう……と思っていたし、皆｢どうせ嘘だろ｣、｢きっと、てか絶対来ねぇって｣と思っていた。
しかし翌日。
ほ ん と に 来 た 。
3回扉がノックされ、｢失礼します。｣と静かに告げながら入ってきた1人の女子。
肩上で切り揃えられたサラサラと流れる黒い髪。細い青縁のメガネ。彼女の口元は一文字に結ばれていた。清水のようなタイプの子で、いかにも
｢え？は？｣
と澤村から情けない声が出て、持っていたボールが床を跳ねてトンットットットッ…と音を出して転がっていく。
｢おい、大地……ほんとに来たぞ……｣
｢俺2人の嘘だと思ってたんだけど……｣
｢俺も今凄く驚いてて思考が追い付いてない｣
たいそう驚いた様子で、菅原と東峰が澤村に話しかける。すると、菅原が1年の変化に気がついた。
｢おい、なんか1年の3人の様子がおかしくないか……？｣
｢やっぱりあいつらも心底驚いてるみたい……」
東峰が驚くのも仕方がないと納得していた。
｢まあ、まあそうだよな……｣
ゆっくりと2年の3人のもとに向かってくる臨時マネージャーであるAに気付かずに3人で話をしていた。
？『あの、すみません』
3人のどこかに浮遊していた意識も、よく通る、けれど、どこか冷たい声を聞いて戻された。
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2021年7月29日 15時
