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ふわりと香るマイルドセブンに、意識を浮上させられる

ゆるりと目を開いた先では、ベランダの扉が開いていた
ベランダに出てみると、ぼーっと煙草をふかしている松田

その視線の先に何があるのか、何を見ているのか気になった

『おはよう。何を見てるんだ?』
「おそようさん。人の事散々待たせやがって…別に何も見ちゃいねーよ。」
『そうか…なぁ、今日予定あるか?もしなければ付き合って欲しいところがあるんだが。』
「別にいいけどよ…どこに行くんだよ。」
『ちょっとな。すぐに終わる。』

自室に戻って私服になり、ついでに松田の着替えを用意する。流石に昨日のスーツのままは可哀想だしな。まぁ私が勝手に連れてきた上熟睡したのが原因ではあるが。

『松田、脱衣所はここ出たら右側の2つ奥の扉な』
「は、ちょ、あ、おい!!」

何か言いかけた松田を追い出して、出かける準備を進めた。

------
脱衣所に入って狼輝に追い出される直前に渡された服を広げる
黒のジャケットに白のTシャツ、濃紺のジーンズは明らかに男物で。実際に着てみるとピッタリな辺り、俺より小柄な狼輝の服ではないことは確かで。誰のものなんだよ。

着替えに添えられていたオシャレな紙袋にスーツを入れて部屋を出ると、玄関先で俺のカバンを持った狼輝がいた。
心做しか狼輝の服装も似ている。

『ちょっと距離があるのと、先に寄るとこがあるから車で行く。帰りは送ってく。荷物はこれで全部か?』

「あぁ。なぁ、ホント何処に行くつもりなんだ。」

『さぁ。着いたら分かるよ。』

そう言ってさっさと出ていってしまう。遅れないように家を出て、鍵をする狼輝の手から自分の荷物を取る。

エレベーターで地下駐車場まで降りて、ピッという鍵が開けられた車。中はシンプルで他の女の車に乗らねぇから分かんねぇけど、俺が乗っていても違和感が無いなとは思った。

荷物を後部座席に乗せ、自分は助手席に乗る。発進した車に暫く揺られていると、着いたのは小さな花屋だった。

『ちょっと手伝ってもらえるか?』

「別にいいけどよ、何をすんだよ。」

『好きな花を選んで、小ぶりの花束を作って欲しいんだ。』

そう言うとササッと店に入っていく。慌てて追いかけると、狼輝は先に花を選んでいるようだった。花束っつっても、目的もわかんねぇし興味もないから知識もねぇ。一通り目を通して、パッと目に付いたものを適当に選んで店員に伝えた。

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作者名:遥希 | 作成日時:2022年7月2日 17時

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