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松田side ページ5

変な女だと思った


来たくもねぇ係に回されて、自分でもイライラして周りにそれを隠そうともせず、あまつさえ警部の話を遮った


普通ならこんな奴の教育係なんざ任命されたら嫌な顔のひとつくらいするだろ、現に周りの奴らは睨んでたし。


狼輝Aだ、と簡潔に紹介され、握手を求められた時は
"どういう神経してんだコイツ"
としか思えなかった
普通喧嘩腰で入ってきた新人に握手求めるか?


その後の外周りでも、狼輝は俺の事を"松田刑事"とご丁寧に敬称を付けて呼ぶ
俺は"アンタ"でしか呼んでないのに。


警視庁に泊まり込む予定で帰庁した後、某エネルギーチャージを開封した瞬間、居酒屋に連れ出された


解せぬ。何だよ"それは食事か?"って。
何も答えちゃいねーのに自己完結して連れてきやがった
当たりだから何も言えねぇのも悔しい
恐らくだが明日が非番であるというのもちゃんと配慮されてる
でなきゃコイツが酒を頼むものか


2人して挨拶を口にした後、黙々と箸を進める
酒も料理も進んだ頃、急に切り出された話題に俺は素直に話してしまった
ハギの事、仇討ちの事、自分の思い


自分から話したが、酒のせいもあって気分が沈む
クソ、何で思うようにいかねぇんだよ


しかもハギが望んでいるかって?
ンなもん知るかよ
アイツは目が覚めて1番に、俺に仇なんて打つなってあんな事言ってごめんなんて謝ってきた
分かってる、でも俺の腹の虫が収まらねぇ


悶々と考えていると手を乗せられて、初めて自分が頭を伏せていた事に気づいた
思わずバッと勢いよく頭を上げると酷く優しい、けど何処か不安そうな顔をしたアイツ


ンだよ、何でそんな顔してんだよ
会ってまだ1日も経ってねぇただの教育係だろ


なのに何で、何でこんなに揺らぐんだ
俺はハギの仇を打つ。それで俺も精算して前に進む。
そう決めた。そこは譲れねぇ。


でも、コイツの、狼輝の顔を見てると、何故か少し揺らいでしまう


俺はそれをかき消す為に黄金色を煽った


その後、気付かぬうちに寝落ちていたのは何時もなら考えられないが。

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作者名:遥希 | 作成日時:2022年7月2日 17時

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