あの景色をもう一度【ハイキュー】 (ページ44)

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第42球今度こそページ44

及川side

岩「影山、なんか凄くなってたな」

及「あ〜、空回ってた天才が才能の行き場を見つけちゃったんだから、もう凡人には敵わないんじゃない？」

烏野との練習試合が終わって、今は片付けの真っ最中

岩「へぇー、お前でも敵わないのかよ？」

及「トスはね！トス回しで飛雄に敵うヤツ、県内には居ないんじゃない？まあ、サーブもブロックもスパイクも負けないけどね」

ﾊﾞｼｰﾝ！

及「あ、いった！」

岩「トスも負けないって言えよ！クソ及川！てめぇセッターだろうが！」

及「だって、本当の事だもん！それに…」

岩「……何だよ」

及「向こうにはAがいる」

〜再会前 Aとの最期の会話～

身体を離した俺たちの間を風が通り抜ける

そしてAが口を開いた

『牛島さんが』

及『なんでウシワカが出てくるのさ！！』

『落ち着いて聞いてよ』

及『ごめん……で？』

『あの人が言った事、覚えてる？』

及『………うん、覚えてるよ』

忘れる訳ないじゃん

アイツが俺に残した言葉

“霧谷が居ながらなぜ才能を生かせない？”

今思い出しても本当腹立つ

『私は皆の血の滲むような努力を知ってる。でも、周りは違う………私を知る人は私と皆を比べたがる。それでいて牛島さんと同じ言葉を並べる』

及『それが俺と一緒に居られない理由とどう関係があるの？』

『……私は皆に、自分が弱いなんて思って欲しくない！でもこれからずっと勝ち続ける保証はどこにもない…きっとこれからも、負ける度にその台詞を聞くことになる…実際に今年もそうだった』

Aには、全部お見通しか

『自分のせいでチームの皆に、徹くんにそんな思いして欲しくない！余計な重荷を背負…』

及『俺はAが重荷になったことなんか1度もない！！Aが居たから、最期の中総体でもベストセッター賞まで辿り着いたんだよ！』

『…それは徹くんの努力の成果だよ』

及『嬉しいけどさ、そんな事言うなよ…』

『自分勝手でごめんなさい…でも私はこうするべきだと思う…だから』

及『…！待っ…』

『さようなら』

〜〜〜

***

及「…俺は悪くないっか………そんな訳ないのにね〜」

岩「さぁな(おめぇは悪くねぇよ)」

及「俺がもっと強かったらさ、こんな事にはなってなかったじゃん？」

岩「だから“俺たち”だろ！

(おめぇは十分強えよ、弱かったのは俺の方だ)

んで、今年は勝つんだろ？」

及「…！………うん、必ずね！」