あの景色をもう一度【ハイキュー】 (ページ5)

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第3球和解ページ5

影山side

こんな形で再会できるとは思っていなかった

最後に会った時に比べ

肩下までだった髪は腰まで伸ばされており

顔つきもどことなく大人っぽくなっていた

そんな彼女は今

困った顔で固く閉ざされた扉を見つめている

影「あの…」

「あ…なんかごめんね」

苦笑しながら謝る顔は、あの頃と変わらない

影「まさか、Aさんが烏野にいるとは思いませんでした」

「私も…影山くんがくるとは、思わなかったな」

少し遠慮がちではあるが

返事が返ってくることが素直に嬉しかった

でも

こちらに視線が向くことは一切ない

あんな事があれば、当然か

影「前に、俺が言ったこと覚えますか？」

「…………うん、覚えてるよ」

影「あの時は、本当にすみませんでした！」

「え……？」

謝罪と同時に頭を下げてしまった為

彼女の顔は見えないが

先程の声からして

俺の唐突な謝罪に戸惑っていることはわかった

影「あの時、Aさんの気持ちとか全然考えてなくて、ただのクソ生意気なガキで…あの後ずっと後悔してました。本当にすみませんでした。」

「いや、皆の気持ちを考えてなかったのは私の方だよ。私の方こそ、ごめんなさい。」

影「そんなことないです。Aさんは何も悪くないので謝らないでください。」

「…………もう頭上げてよ」

恐る恐る頭を上げると

困り顔のAさんと目が合う

「悲しくなかったって言えば、嘘になるけど………でもあの時のこと、私には必要だったなって思う。自分を見つめ直すきっかけになったから…」

影「でもAさんを傷付けたことに変わりはない。…………許してもらえるなら、俺なんでもします」

「ﾌﾌ……許すも何も、元々怒ってないよ」

軽く笑顔を見せた彼女にホッとし

俺、やっぱりこの人のことが好きなんだな

と確信した

影「あの…あんな事言っておいて都合いいとは思うんですけど、また俺にバレーの指導してもらえませんか」

「私でいいなら…もちろんだよ。じゃあ、またこれからよろしくね！」

差し出された手をじっと見つめる

「握手だよ！握手！」

影「……っス！よろしくお願いします！」

「ｱﾊﾊｯ、よろしく！」

***

「そういえばなんで烏野に？白鳥沢に行くと思ってたな」

影「白鳥沢、落ちました」

「あっ、そうだったんだ…(察し)」