あの景色をもう一度【ハイキュー】 (ページ25)

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第23球小心者の緊張ページ25

Aside

影『いいか日向！お前は最強の囮だ！！！』

大地さんたちと色々検討した結果、翔陽はMBとして起用された

あの超速攻で相手を引き付け、レフトの決定率を上げるという作戦だ

しかし、飛雄の余計な一言を聞いてから、明らかに翔陽の様子が変だ

小心者の緊張………ってやつ？

清「Aちゃん？」

「…！はい」

考え事をしていたら、隣に座っている潔子さんに名前を呼ばれた

清「難しい顔してるけど、大丈夫？」

「いや、翔陽ガチガチに緊張してるみたいだから大丈夫かなって思いまして…」

清「私はAちゃんも心配だな」

「私はぜんぜん！ここまで来たら腹くくるしかない！って感じなので」

清「(腹くくる？)」

「でも強豪の選手を間近で見れるなんてなかなか無い機会ですし、ちょっと楽しみなんです」

清「そっか、でも何かあったらちゃんと言ってね」

「はい！潔子さんも、変な輩に絡まれたりしたら言ってください！私飛んで行きますから！」

清「それはないとは思うけど…ありがとう」

潔子さんの優しさに癒されていると、後ろ側の席が騒がしくなってきた

そして…

田「うああぁーーー！！止めてーーー！！！！」

龍の奇声により、バスは一時停止

1番後ろの席に目をやれば、膝上が大惨事になっている龍とその原因であろう力尽きた翔陽の姿が目に入る

澤「(あれ？？)」

「(これは…)」

菅「(なんか…！？)」

影「(予想以上に…)」

「「「「(やばいーー！？)」」」」

なんとか無事………ではないけど、青城に到着した

とうとう着いちゃった…

バスの中で潔子さんにあんなこと言ってたけど、まだ心の準備はできてないらしい

翔陽の緊張が移ったのか妙に落ち着かない

すると突然、頭に手が乗せられた

影「俺、何があったか深くは知らないですけど………AさんはAさんらしく、いつも通りでいて下さい」

「………ははっ…こんな風に励まされる時がくるとはなぁ」

“私らしく”

その何気ない言葉にすっと気持ちが軽くなった

影「……どういう意味っすか？」

「ありがとう」

影「！」

頭に乗せられた手から伝わる彼の優しさ

男の子って成長はやいな

知らないうちにどんどん先に進んでいる

私の手が届かない場所まで

***

影山side

「ありがとう」

そう言ってふわりと笑った

この人にはやっぱり笑顔が似合う

だから笑顔であり続けて欲しい

その為に、俺は出来ることをやるだけだ