03*白雪姫のはなし ページ4
side 零
ニコニコと手を振り、少しばかり短いスカートを揺らしながら普通科の門をAは潜り抜けてゆく。
外でもだいぶ笑うようになったのう。
「おや、やはり白雪姫との別れは寂しいですか？」
「そうじゃのう。
人間不信のAがちゃんとやっているのかは心配じゃよ。」
我輩たちには時々痛烈な辛口やイタズラをしてみせるAじゃが、過去の生い立ち故に人間を信用できない節がある。
生まれついての二色の瞳を持つ人間の血は我らにとっては格別な蜜。
新月の夜に生まれたオッドアイのA
新月は我等吸血鬼にとっては夜でも力を出せなくなる、そんな夜に生まれた子。
調べによれば生まれてまもなくに誘拐され、
吸血鬼に売り付ける為に実の両親から奪われた子。
今となっては親御さんを見つけてやることも叶うまい。
瞳のせいで施設では苦労し、信じていた大人には売られ…
「渉くんにはだいぶ慣れてきたようで何よりじゃ。」
「初見では無反応でしたからね！
また明日も新しい愛と驚きを与えたいと思っていますよ☆」
「程ほどに頼む。
表情は少ないが心底驚いておるんじゃから。」
分かっているのかいないのか…
しかしAはもう少し人間に興味を持ち仲良くなれねば将来が心配だ…
いつまでも我が家に居るわけでないだろうし。
幼少の頃よりAにな様々な事を習得させ、芸は身を助くと言うし後々の為に役に立てばと思ってしてきたが。
最近では凛月の真似をしてダンスまで踊るようになったようじゃし。
いつかこれまでの積み重ねが役に立ってくれるとよい。
「しかしいざ居なくなられると銀杭で胸を刺されるほど辛いものがある…」
「銀で胸を刺したら吸血鬼は死んでしまうのでは？」
「あの子をいつまでも縛りたくはないと言いつつ、我輩の本音は寂しいみたいじゃよ。」
「それこそ愛ですね☆歌いましょう、踊りましょう。白雪姫に響き渡らせましょう！」
我輩の前を歩く渉くんは道行く生徒にバラの花を撒き、くるくると舞い続ける。
闇夜のような瞳を持つ我輩たちの太陽が今日１日を平穏無事に、願わくば笑って過ごせるように。
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りっちー(プロフ) - 面白かったです！更新頑張って下さいね〜！ (2018年5月21日 20時) (携帯から) (
レス) id: ee27b93d84 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 夢小説好きなネコさん» 高２の後半、もうすぐ３年になる時期からのスタートなので俺様じゃありません。 (2017年8月2日 10時) (レス) id: efb045d001 (このIDを非表示/違反報告)
夢小説好きなネコ - 兄者って高2の時俺様だったような… (2017年8月2日 5時) (レス) id: fcd198aace (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2017年7月29日 16時
