15*魔王と皇帝と ページ16
「やぁ、A。
学院には慣れたかいい？」
暖かな朝日を浴び、今日も１日頑張ろうと両手をぐっと空に伸ばした。
聞こえた声は少し先
『英智君！退院したんだね。』
「お陰さまでね。体質改善をした甲斐があったよ。キミと同じ学院に通えるのが楽しみだったから頑張ったんだよ。」
柔らかな笑みと着ているところを初めて見た夢ノ先の制服姿。
病院で会い、親しくなった英智君と同じ学院に通えることは私自身も楽しみだった。
「朔間さんもおはよう。
まさかAちゃんの同居人だったとは驚いたよ。」
共に通学していた日傘を差した零さまは、あまり見たことのない真顔…
美形の真顔は怖いと聞くけど、確かにその通りで口を紡いだ。
「随分とタイミングの良い退院じゃのう、天祥院君や。
我が家のAに転校まで勧めて、何を企んでおるのか。」
「心外だなぁ。
才能のある彼女が普通科で燻っているのを見ていられなくてね。」
この二人は仲がよくないのかもしれない…
転入前にも零さまから英智君には気を付けろと言われていたし…
うーん…宙ぶらりんな状態がすごく嫌だけど、どうしたら良いか…
「ここに来て楽しそうにしているのは事実じゃが、いらぬ争いに巻き込もうものなら黙ってはおらぬぞ。」
零さまに背を押され、校門へと。
振り返るも英智君は人の良さそうな笑みでニコニコとしている…
『…零さま？』
「すまんのう。
友達とは聞いていたが、天祥院君は今の学院を牛耳っておる。
ここまで沢山の血と涙が流された。
何を信じるかはA次第だが、今は生徒会の内情には関わらないでほしい。」
『…分かりました。
零さまが仰るなら私から生徒会には近付きません。』
「良い子じゃ。ちと、我輩は疲れが抜けておらんから部室に行くが、Aはちゃんと授業に出て、お友だちと仲良くな。」
頭を撫でて、零さまは軽音部の方へと行ってしまった。
胸のなかがふわふわと暖かい。
英智君とは普通のクラスメイトとして接しよう。
零さまを裏切ってまで深入りするつもりなんて毛頭ない。
「ほーんと朔間さんはAちゃんの事好きだよね。」
『薫くん…おはよう。
ほら、早くいかないと遅刻だよ。』
「遅刻とかは別に気にしてないけど…
一緒に手を繋いで行こっか？」
繋ぐ気はないけど…ブレザーの袖口を掴めば、嬉しそうに歩いてくれた。
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りっちー(プロフ) - 面白かったです！更新頑張って下さいね〜！ (2018年5月21日 20時) (携帯から) (
レス) id: ee27b93d84 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 夢小説好きなネコさん» 高２の後半、もうすぐ３年になる時期からのスタートなので俺様じゃありません。 (2017年8月2日 10時) (レス) id: efb045d001 (このIDを非表示/違反報告)
夢小説好きなネコ - 兄者って高2の時俺様だったような… (2017年8月2日 5時) (レス) id: fcd198aace (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2017年7月29日 16時
