パン屑21個 ページ23
話し合いが始まっても、事はあまり動かない
内容の大前提が、それはそれは酷いものだから
『だから、拒否だって言ってんだ』
コン「でもあの子供達を助けられるんだよ?現状で満足してる?」
『満足なんてしてねぇ
が、これを飲んだら俺はあの店を畳む必要があるだろ』
コン「お店と子供達の安全とを天秤にかけてる?」
『あいつらの安全は俺が作ってやれる。
それに、直近で戦争があるわけでもねぇだろ?何を急ぐんだ』
コン「何があるか分からないからじゃん?
その"何か"で、あの子達が危険にさらされるかもよ?」
『あいつら守るくらい問題ねぇって言ってんだ』
ずっと、俺とコンタミのやり取り
話題の内容も、変わらないどころか進みもしない
コン「良い提案だと思うんだけどなぁ…だめ?」
『だめだ』
ミド「⋯ナンデそんなにイヤナノ?」
『あの店を気に入ってくれてるヤツらも居るんだ。それに…』
そこまで言って、飲み込んだ
口にしてしまえば、それはもう戻らない。それが言葉
そして言葉は、時に恐ろしい力になり、現実になる
金豚「⋯⋯まあ、提案なんやろ?なら今はえんちゃう?」
コン「きょーさんはスラムの現状見てないから言えるんだよ
子供が売れ残りのパンを食べて、身を寄せて暖をとってる
誰の家だったかも分からない廃屋に住んでるんだよ?」
レウ「まじか…」
コン「レウさんはどう思う?」
レウ「俺?!俺は⋯⋯⋯」
言葉が途切れる
それと同時に、伺うような視線を送るレウクラウド
多方、俺の機嫌を損ねない答えを選んでるんだろうが…
俺だって大人なわけで、自分の機嫌くらい自分でとれる
その意も込めて、無表情でレウクラウドを見つめ返す
レウ「俺、は……いいとは、思う。けど…
Aさんの言ってることも、わかるから…」
コン「でた、レウさんの八方美人」
ラ「こらコンタミ」
らっだぁがコンタミの額を小突く
その箇所を抑えながら頬を膨らますコンタミ
その目は、どこか幼さを残したまま
しかし、俺はそれに揺らいではいけない
命あってこその今日と、軍隊時代に口煩く言ってきた
そのおかげとは言わないが、金豚は今日まで生きている
だから、この信念を揺らがす訳にはいかないのだ
『時間も取ってもらってわりぃが、俺はこれは飲めない』
コン「んー…でも、君が戻ってきてくれたら
国としては百人力な事に変わりはないんだよなぁ…」
レウ「⋯てか、それならさ、国から徴兵令出せば早くね?」
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» ありがとうございます。これからもっと増えると思いますが…何卒、よろしくお願いします┏● (2023年2月27日 21時) (レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。こちらのお話めちゃ好みに刺さりました!v.v.tの登場も熱い!応援してます更新ファイトです!(プレッシャーになりませんように…) (2023年2月26日 19時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:_teto__teto_ | 作成日時:2023年2月14日 18時