パン屑16個 ページ18
向けられた槍に怯える子供達
ラズは俺の足をぎゅっと握り震えている
それでも護衛は、まるでハナから見えていないかの様に続ける
兵「貴様らスラム民如きの為にと動いて下さる方々に
最低限の礼儀を弁えることすら出来ないのか?!!」
『チッ…うるせぇな…』
思わず身体が動きそうになる
たかが護衛如き、動けなくなっても問題ないだろう
黙らせようと足に力を込めるが、それより先に 槍は弾かれた
同時に聞こえた銃声
それにまた、子供達が怯える
小さな悲鳴と共に、足を握る力が強くなったのが分かった
コン「⋯みっどー?」
ミド「ウルサイのがワルイ」
コン「俺まだなんも言ってないんだけどなぁ…」
ミド「言うつもりだったデショ?」
コン「それはそうだけど」
銃声の主は、みっどー(?)らしい
手に握られた小型の銃は硝煙を上げ、彼の足元に薬莢を落とす
コンタミ様は 音を立てて落ちた薬莢を後目にカツカツと歩くと
兵士の目の前で止まり、下から覗くようにして顔色を伺う
少しの間そうして、フッと息を零した
コン「肩書きも無いのに出しゃばらないでくれる?みっどーの機嫌損ねてうっかり殺しちゃったら、報告書面倒な事になるんだけど??」
兵「ッ…失礼、致しました……申し訳ありません…」
コン「さて、見苦しいもの見せちゃってごめんね?大丈夫?」
謝罪の言葉を他所に、コンタミ様は笑ってこちらを向く
その笑顔は思った通り、貼り付けただけの偽物
それでも純粋な子供達には十分らしく、安堵の表情を浮かべる
その後少し話をして、時間だからと連れられる
姿が見えなくなるまで、子供達が心配そうに見ていたのは気付いたが、全て今更だし、悪いようにはならないと思っている
コン「いやー、さっきはごめんね?」
『問題ないさ。ただやはり、態度は改めた方がいいか?』
コン「俺らにはもうその必要は無いけど…
そうだなぁ……国王サマにはそれなりにした方が面白いかも?」
ミド「このパンって、ラダオクンにあげるヤツ?」
コンタミ様の話を割って、みっどー(?)がバケットを覗く
中はまだサクサクのクロワッサンと、今朝のクッキー
クロワッサンは一応献上する分だと告げると、
クッキーの袋を取り出して口に運ぶ
⋯そんなに気に入ったのならもっと作ればよかったな…
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» ありがとうございます。これからもっと増えると思いますが…何卒、よろしくお願いします┏● (2023年2月27日 21時) (レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。こちらのお話めちゃ好みに刺さりました!v.v.tの登場も熱い!応援してます更新ファイトです!(プレッシャーになりませんように…) (2023年2月26日 19時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:_teto__teto_ | 作成日時:2023年2月14日 18時