スターゲイザー【短編集】

譲れない【ナーガ.スパーダ】リクエスト ページ40

Aがメインルームでいつものようにカフェオレを飲んでいると、

ナーガ「A」
スパーダ「Aちゃん」

A「ふぇ…？」

ナーガとスパーダに同時に名前を呼ばれ、Aは少し驚く。

A「な…何、どうかした…？」

スパーダ「あっ、ナーガからで良いよ」

ナーガ「そうか。
…じゃあ先に言わせてもらう」

A「っ…？」

ナーガ「Aは俺の事、好きか？」

ナーガがそう言った瞬間、Aとスパーダは固まる。

A「……え…？」

スパーダ「ど、どうしたんだいナーガ…？」

A「どうしたの…？」

ナーガ「どうもしない、気になっただけだ」

A「そっか…。
っ…えっと…好き、だよ？」

Aがそう言うと、スパーダはピクリと反応する。

スパーダ「僕の事は？」

A「え…？」

スパーダ「僕の事、好き？」

A「ぁ、え…好きだよ…？」

ナーガ「どっちなんだ？」

A「えぇっ…何が…！？」

ナーガ「俺とスパーダ、どちらの方が好きなんだ？」

ナーガとスパーダはAの方を向く。

A「うぅ……どっちも好き、選べないっ…！」

スパーダ「どっちか決めてほしいんだ…！」

そしてスパーダはAの片手を優しく握る。

A「っ…！」

ナーガ「Aは…どっちを選ぶんだ？」

さらにナーガも、もう片方の手をギュッと握る。

A「ｯｯ…！
……ど、どうしても決めなきゃダメ…？」

ナーガ「頼む」

スパーダ「…お願い」

A「う……。
…ごめん、今は…まだ決められない…」

Aがそう言うと、二人は手を離す。

スパーダ「っ、どうしても…？」

A「…っ」

しばらく沈黙が続いた後、ナーガが口を開く。

ナーガ「…Aの事を一番好きなのは俺だ」

A「っ……！！」

その言葉を聞くと、Aは無意識のうちにナーガの手を握っていた。

ナーガ「っ…！」

A「…っ、ナーガもスパーダも大好きだよ。
でも……ナーガの事、違う意味で好き…かもしれない」

スパーダ「…そっか、でも諦めた訳じゃ無いからね」

そう微笑み、キッチンへ戻っていった。

ナーガ「…A。
違う意味で好き…とは、どういう意味だ？」

A「……分かんない。
でも多分…ナーガが言ってる好きと同じ」

ナーガ「！そうか…」

そしてナーガは、メインルームを出ようとする。

A「ん…どこ行くの」

ナーガ「…バランスの…ところ」

ナーガはそう呟き、顔を少し赤くしたままメインルームを出た。

気付けば君を想ってる【ナーガ】リクエスト→←夏祭り【スティンガー】(終)

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