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り「…これは?」
『コンクールに出す予定だった絵。でももう提出すること出来ないから、りょうくんにあげる』
り「見てもいい?」
『うん』
りょうくんは丸めた絵を開くと驚いたのか目を見開いていた。
り「これって俺?」
『うん。実はこっそりとりょうくんをモデルにしてたの』
り「だからあの時てつや達に内緒って言ってたんだ」
『怒ってない?』
り「怒る?そんな事ないよ。逆にモデルにしてくれて嬉しいよ」
『でも、いらなかったら捨ててもいいから』
り「…いや。これはコンクールに出すよ」
『え?』
り「先生に折り入って聞いてみるよ。折角Aちゃんが頑張って描いたんだから。そしてAちゃんが帰ってきたら結果を報告するよ」
『りょうくん…ありがとう!』
<まもなく1番線ホームに名古屋行きの電車が参ります>
電車のアナウンスが入った。もうお別れだ。
『もう行かなくちゃ…』
り「Aちゃん」
『……ッ!!』
りょうくんは私を抱きしめてきた。周りには人がいて私達のこと見ている。
『り、りょうくん?』
り「俺待ってるから」
『うん。私も必ず返事するから。だから、「さよなら」なんて言わないよ』
り「うん。約束だよ」
りょうくんは私を離して、お互いの目を見つめる。
り「行ってらっしゃい」
『行ってきます!』
私は笑顔でアメリカへ飛び立った。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2021年11月22日 0時