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て「祭りだ祭りだぁ!!」
と「あんまはしゃぐんじゃねぇぞ」
てつやくん達もやって来て皆でお祭りを廻る。
お祭りなんて何時ぶりだろう。たしか小さい頃に親に連れてってもらったきり行ってないような…
ゆ「ねぇ何か食べない?」
て「俺焼きそば食べたーい!」
し「俺たこ焼き!」
前方にいるてつやくん達は食べたいものの話をしていると、私の隣にいるりょうくんも「Aちゃんは何か食べたいものない?」を聞いてきた。
食べたいものか…私は辺りの出店を見ていると、あるものに目が行った。
『……あっ』
いちご飴。私が小さい頃に親に買って貰って食べたなぁ。
私はいちご飴を見つめていると、りょうくんはそれに気づいたのか私に声をかける。
り「いちご飴食べたいの?」
『えっ!?いやっ、ちが…』
り「いいよ。買ってきてあげる」
りょうくんは颯爽と出店に行っていちご飴を買って来てくれた。
り「はい」
『ありがとう』
りょうくんからいちご飴を受け取り、ペロッと一口舐める。
甘酸っぱさが口の中に広がると共に懐かしさが込み上げる。
り「美味しい?」
『うん。美味しいよ』
り「そっか。良かったね」
『……ッ!!』
りょうくんの爽やかな笑顔に飲まれてしまう。
て「おーい!!りょうー!Aちゃーん!射的やろー!」
少し離れた場所でてつやくんの声が聞こえた。
り「行こっか」
『うん』
りょうくんは私の手を繋いで皆がいる方へ向かう。初めてりょうくんと手を繋いで緊張が走る。
屋台に行くと既にとしみつくんとしばゆーくんが射的を始めていた。
と「ったく全然当たんねぇ」
し「絶対景品に重り付けてない?」
て「なに景品にケチつけてんの!」
ゆ「ねぇねぇ、りょうくんもやってみて?」
り「俺下手だよ?」
「できるかなぁ?」と言いながら銃にコルクを詰め狙いを定めるりょうくん。
ポンッ
「『あっ!!』」
りょうくんが狙ってたクマのぬいぐるみが見事命中し倒れた。
まさか1発で当たるなんて思いもせず皆は驚いていた。
し「りょうくんすげぇ!!」
り「たまたまだよ」
「おめでと兄ちゃん」
当たったぬいぐるみはりょうくんの手の元に来ると、りょうくんはそれを私の前に差し出してきた。
り「Aちゃんあげるよ」
『え?だってりょうくんが取ったんじゃ…』
り「男の俺が持ってもね。だから…ね?」
『ありがとう』
私は少し照れながら、りょうくんからぬいぐるみを受け取った。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2021年11月22日 0時