特効薬は俺2

97.LAST ページ49

そして、しばらくの時が経ち……



ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ……


『……ん』


いつも通りの時刻に目を覚まし、今日のスケジュールを確認する。


『…!!やばい今日は大事な撮影の日だ!!』


どうしよう!?とりあえず彼を起こさないと!!


『としみつくん起きて!!撮影に遅れるよ!!』


と｢ん…あと少し……｣


『ダメだって!!遅刻する!!』


体を揺らしても布団から出てこない。
こうなったら…と私のカバンから、とある物を取り出す。


『としみつくん、ごめんね』


ビィィィィィ!!


と｢…ッ!!うっせぇ!!耳元で防犯ブザー鳴らすな!!普通に起こせ!!｣


『何回も起こしても起きなかったじゃん。それより早く着替えて』


と｢あいよー｣


男性恐怖症だった私は彼に助けてもらい、今じゃ立派な旦那さん。


そして私のお腹の中に……


『……ッ』


と｢A大丈夫か？｣


『うん…大丈夫…痛っ』


予定日もそろそろ迎えてた頃だった。


『……ッ!?』


と｢A？｣


『…破水したみたい』


と｢…!?今車持ってくるから｣


『でも撮影が…』


と｢そんなのお前が優先に決まっとるだろ｣


彼は急いで病院に連絡し車も持ってきてくれた。
私は後部座席で横になりながら痛みに耐えた。


『はぁ…はぁ…ッ!!』


と｢A…頑張れ！もう少しで着く｣


病院に着くとすぐに分娩室に入った。


私は痛みと闘う。私ととしみつくんの子を産むんだ…!!








***








と｢お疲れA｣


『ありがとう』


無事子供が産まれ、隣でスヤスヤと眠っている。


と｢可愛いな｣


『うん。ねぇとしみつくん』


と｢ん？｣


『ありがとね』


と｢どうしたんだよ改まって｣


『としみつくんが居なかったら私は酷い目にあってたし、この子にも会えなかった。だから感謝してる』


と｢A…｣


『大好きだよ』


と｢俺も愛してる｣


『そういえば、この子の名前決めた？』


と｢あぁ。結構悩んだけど、この子にピッタリだなと思ってな………




この子の名前は───────｣











男性恐怖症だった私……
これから3人で幸せな家庭を築いていきます。








END

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