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道具も揃い、カメラの準備もOK。
皆さんも撮影の流れの説明も終わり、やっと本番だ。
天候はさっきより暗くなり、いつ雨が降ってもおかしくないくらいだ。
どうか撮影が終わるまで降りませんように…
そう思いながら撮影が始まった。
て「やぁどうもてつやと」
し「しばゆーと」
り「りょうと」
と「としみつと」
ゆ「ゆめまると」
虫「虫眼鏡だ」
て「えー今日は───」
ポツポツ……
てつやさんが今回の動画の経緯を説明しようとした時、とうとう雨が降ってきた。
ザー!!
雨は更に強まり撮影どころじゃなくなった。
高岡さん「皆さん、撮影は一旦中断です!」
撮影は中断し、高岡さんはカメラの回収、私は皆さんに傘を渡した。
『皆さんこちら使ってください!』
ゆ「サクラちゃんありがと!」
て「ふぅー助かったぁ」
『としみつさんも!』
と「おまっ…濡れるだろ!」
『私はフードがあるので…』
私は着ているパーカーのフードを被り、頭が濡れるのを防ぐ。
と「ばかっ!風邪ひくだろ!」
としみつさんは左手で傘を持ち、右手で私の体をとしみつさんの方に抱き寄せてきた。
『と、としみつさん…ありがとうございます』
と「濡れてねぇか?」
『はい、大丈夫です』
と「そうか、良かった」
『……ッ!!』
私ととしみつさんとの距離はとても近く、本来なら悲鳴を上げたり、防犯ブザーを鳴らす自分だったが、としみつさんだからか大声を出したり、ブザーを鳴らさずに済んだ。
高岡さん「皆さん。とりあえずバスに戻りますよ」
私はとしみつさんと一緒に傘に入ったままバスへ避難するのであった。
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作者名:ぺぺぺ | 作成日時:2021年9月14日 20時